「エコキュートに替えたいけれど、東京都の補助金って結局いくらもらえるの?」
東京都には、国の給湯省エネ2026事業とは別枠で使える助成金があります。それが、クール・ネット東京が実施する「熱と電気の有効利用促進事業」。エコキュート・ハイブリッド給湯器が対象で、条件がそろえば1台あたり最大27万円。しかも国の補助金と併用できます。
ただし、この制度には国の補助金にはない決定的なルールがあります。それが「契約前の事前申込」。工事の契約を結んでから申し込んでも、原則として1円も出ません。順番を間違えた瞬間に数十万円を取り逃がす制度なのです。
この記事では、金額の決まり方から国の補助金との併用、事前申込の流れ、つまずきやすいポイントまで整理しました。
※本記事は2026年7月時点の公表情報にもとづいています。
クール・ネット東京の「熱と電気の有効利用促進事業」とは
「クール・ネット東京」は補助金の名前ではありません
クール・ネット東京とは、東京都地球温暖化防止活動推進センターの愛称です。東京都の省エネ・再エネ関連の助成金を運営している機関で、窓の断熱改修、太陽光発電、蓄電池など、家庭向けだけでも複数の事業を並行して実施しています。
そのうち給湯器が対象になるのが「熱と電気の有効利用促進事業」です。正確には「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」という大きな枠組みの中のひとつで、太陽熱利用システム・地中熱利用システムとあわせて、エコキュート等への助成が用意されています。
対象はエコキュートとハイブリッド給湯器
給湯器で助成の対象になるのは次の2種類です。
- エコキュート(電気ヒートポンプ給湯器/おひさまエコキュートを含む)
- ハイブリッド給湯器(ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型)
国の給湯省エネ2026事業で対象になるエネファームは、この事業には含まれていません。
エコジョーズ・エコフィールは別の事業へ
ガス給湯器のエコジョーズや石油給湯器のエコフィールは、この事業では申請できません。分譲マンションにお住まいの場合は「分譲マンション省エネ型給湯器導入促進事業」という別事業が用意されているため、そちらを確認することになります。
助成額は最大27万円/台。金額はこう決まる
まず「3つの入口」のどれに当てはまるかを確認
この助成金がわかりにくい最大の理由は、機種で金額が決まるのではなく、住まいの状況で金額が決まる点にあります。次の3つのうち、どれに当てはまるかがスタートラインです。
- 太陽光パネル連携:自宅の太陽光発電でつくった電気を使い、日中に沸き上げる機能を持つ機種(おひさまエコキュートを含む)を設置する → 14万円/台
- 再エネ電力契約:東京都が指定する再生可能エネルギー100%の電力メニューを契約し、その電気が住宅に供給されている → 5万円/台
- DR実証参加:上の2つに当てはまらない場合、デマンドレスポンス(DR)実証に参加する → 8万円/台
太陽光発電を設置しているご家庭がもっとも手厚く、14万円からのスタートになります。
DR実証とIoT機器で上乗せできる
さらに、次の加算が用意されています。
- ①②に該当する方がDR実証にも参加する場合:+8万円/台
- DR実証への参加にあわせてエネルギーマネジメント機器・IoT関連機器を新たに設置する場合:+5万円/台
DR(デマンドレスポンス)とは、電力の需給がひっ迫する時間帯に使用を控えたり、電気が余る時間帯に多く使ったりして、需給バランスの調整に協力する取り組みのことです。エコキュートは沸き上げの時間をずらせるため、この仕組みと相性がよいわけです。
金額早見表
| 該当する条件 | 基本の助成額 | DR実証に参加 | IoT機器も設置 | 最大 |
|---|---|---|---|---|
| 太陽光パネル連携 (おひさまエコキュート含む) | 14万円 | +8万円 | +5万円 | 27万円 |
| 再エネ100%電力メニューを契約 | 5万円 | +8万円 | +5万円 | 18万円 |
| DR実証への参加のみ | 8万円 | ― | +5万円 | 13万円 |
いずれも1台あたりの金額です。申請は電灯契約ごとに行うため、二世帯住宅などで契約が分かれている場合はそれぞれ申し込むことになります。
リフォーム瑕疵保険で7,000円の上乗せも
設置工事にあわせてリフォーム瑕疵保険に新規加入する場合、1契約あたり7,000円が助成されます。保険に加入するのは施主ではなく、工事請負契約を結んだ施工事業者側です。工事の品質保証にもつながるため、対応可能な業者かどうかを確認しておくとよいでしょう。
▼ ご自宅がどのコースに当てはまるか、無料で診断します
太陽光の有無、ご契約中の電力メニュー、設置環境をお聞きすれば、受けられる助成額の目安をその場でご回答します。ぜひお問い合わせください。
国の「給湯省エネ2026事業」と併用できる
都の助成金と国の補助金は別枠
この事業では、国や区市町村が実施する省エネ・再エネ設備の助成事業との併給が原則として可能とされています。その際は交付決定通知書等の提出が必須になります。
つまり、国の給湯省エネ2026事業(エコキュートで最大10万円)と、東京都の本事業を両方受け取れるということです。
| ケース | 国(給湯省エネ2026事業) | 都(熱と電気の有効利用促進事業) | 合計 |
|---|---|---|---|
| 太陽光あり・性能加算あり・DR+IoTまで参加 | 10万円 | 27万円 | 37万円 |
| 太陽光あり・基本額のみ | 7万円 | 14万円 | 21万円 |
| 太陽光なし・DR実証に参加 | 7万円 | 8万円 | 15万円 |
本体価格+工事費で数十万円かかるエコキュートですから、この差は非常に大きいといえます。
逆に、併用できない組み合わせもある
注意したいのは東京都・東京都環境公社が実施する「同種の助成金」との重複はできないという点です。具体的には次のような事業が該当します。
- 家庭のゼロエミッション行動推進事業(東京ゼロエミポイント)
- 東京ゼロエミ住宅普及促進事業
- 東京ゼロエミ住宅導入促進事業 など
同じ給湯器に対して、都の複数の制度から二重に助成を受けることはできません。「どちらで申請するのが得か」は住宅の条件によって変わるため、この判断こそ業者に相談すべきポイントです。
対象になる条件を整理する
誰が申請できる?
助成対象者は助成対象設備の所有者です(国・地方公共団体を除く)。個人だけでなく、法人、マンションの管理組合、機器を貸与する事業者なども申請者として想定されています。
機器の性能要件
エコキュートについては、省エネ法にもとづくエネルギー消費効率が、貯湯容量や寒冷地仕様などの区分ごとに定められた数値(2.7〜3.5)以上であることが求められます。または、昼間沸き上げ形のおひさまエコキュートであれば対象です。
ハイブリッド給湯器の場合は、日本ガス石油機器工業会の規格(JGKAS A705)による年間給湯効率が108%以上であることが条件となります。
加えて、いずれも都内の住宅に新規に設置する未使用品であることが前提です。
設置の期間
令和8年4月1日から令和11年3月30日までの間に設置することが要件です。設置期間そのものには余裕がありますが、申請の受付期間は別途定められている点に注意してください(後述)。
騒音への配慮も交付条件
見落とされがちですが、ヒートポンプ給湯機の据付けガイドラインに準拠し、都の条例で定める日常生活の騒音・振動の基準を守って設置することが交付条件とされています。隣家との距離が近い都内の住宅では、設置場所の選定が実務上の重要ポイントになります。
【最重要】契約前の「事前申込」を忘れると対象外
国の補助金と決定的に違うところ
国の給湯省エネ2026事業は工事完了後に申請する仕組みですが、東京都のこの事業は違います。
工事請負契約を結ぶ前に「事前申込」を行う必要があります。
事前申込より前に契約してしまった場合、原則として助成対象外です。
しかも対象外になるのは給湯器の契約だけではありません。リース等の契約、DR実証参加の契約、リフォーム瑕疵保険の契約も、すべて事前申込の受付完了メールを受け取ってから行う必要があります。
手続きの流れ
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1 | 認証用メールアドレスを登録する(年度ごと・事業ごとに新規登録が必要) |
| 2 | 事前申込フォームから申し込む(見積書・個人情報の同意書を添付) |
| 3 | 事前申込受付完了メールを受け取る |
| 4 | 工事請負契約を締結 → 着工 |
| 5 | 工事完了・支払い |
| 6 | 交付申請兼実績報告を提出 |
| 7 | 審査 → 交付決定 → 助成金の受け取り |
手続きは施主本人でも可能ですが、手続代行者(施工業者)に任せることもできます。実務上は、制度に慣れた業者に代行してもらうほうが確実です。
4月〜6月に契約した方への特例措置
令和8年4月1日から6月30日までの間に、①契約の締結、または②契約の締結および工事を済ませてしまった場合に限り、契約後の事前申込でも申請が可能とされています。「もう契約してしまった」という方も、この期間に該当するなら諦めるのは早いかもしれません。
ただし、事前申込以外の助成条件はすべて満たす必要があります。
事前申込に必要なもの
- 見積書
- 個人情報の取扱いに関する同意書(誓約書/公式サイトから様式をダウンロード)
- 申請者情報、設置場所、予定設備と台数などの入力
また、申請者名は本人確認書類と一致している必要があり、原則として後から氏名を変更できません。契約者名との一致を、契約前に必ず確認してください。
▼ 事前申込の代行までお任せいただけます
「順番を間違えていないか不安」「フォームの入力が面倒」という方はご相談ください。見積もりから事前申込、交付申請まで一貫して対応します。
スケジュールと予算の状況
| 事前申込の受付期間 | 令和8年5月29日 〜 令和9年3月31日 |
|---|---|
| 交付申請兼実績報告の受付開始 | 令和8年6月30日 |
| 設置の対象期間 | 令和8年4月1日 〜 令和11年3月30日 |
| 予算額 | 1,012億円(令和8年度分/断熱・太陽光住宅普及拡大事業の総額) |
予算に対する事前申込額の割合は公式サイトで公表されています。金額の規模は大きいものの、窓の断熱改修や太陽光・蓄電池と同じ枠を共有している点は認識しておくべきでしょう。年度末に近づくほど、駆け込み申請で混み合うことも予想されます。
対象外になりやすいケース
- ❌ 事前申込より前に契約してしまった(特例期間を除き対象外)
- ❌ 中古品・展示品など、未使用品でない機器を設置した
- ❌ 東京ゼロエミポイントなど、都・公社の同種の助成金と重複して申請した
- ❌ 性能要件を満たさない機種を選んでしまった
- ❌ 申請者名と契約者名が一致していない
- ❌ DR実証の契約を、交付申請兼実績報告の後に締結した(加算が適用されません)
- ❌ 都外の住宅に設置した
なお、キャッシュバックや商品券・ポイントなどでの還元を予定している場合は、その額を助成対象経費から除き、契約書の内訳に記載して提出する必要があります。「実質○円」といったキャンペーンを利用する際は、必ず事前に業者へ伝えてください。
よくある質問
Q. 国の給湯省エネ2026事業と本当に両方もらえますか?
国や区市町村の助成事業との併給は原則として可能とされています。ただし交付決定通知書等の提出が必要になるため、両方の申請スケジュールを把握している業者に依頼するのが安全です。
Q. 太陽光発電を設置していないと使えませんか?
使えます。太陽光がない場合は、再生可能エネルギー100%の電力メニューを契約する(5万円)か、DR実証に参加する(8万円)というルートが用意されています。
Q. 賃貸物件のオーナーですが対象になりますか?
助成対象者は設備の所有者です。個人・法人を問わず申請でき、機器を貸与する事業者も申請者種別に含まれています。
Q. マンションでも申請できますか?
都内の住宅に新規設置するものであれば集合住宅も対象です。申請は電灯契約ごとに行います。なお、エコジョーズ等については分譲マンション向けの別事業があります。
Q. 助成金はいつ振り込まれますか?
工事完了・支払い後に交付申請兼実績報告を提出し、審査を経て交付額が決定してからの支払いとなります。工事代金はいったん全額をお支払いいただく形になる点にご注意ください。
Q. 自分で申請することもできますか?
可能です。ご自身で電子申請した場合、交付決定兼額確定通知書は電子通知となり、マイページから確認・ダウンロードできます。ただし書類の不備は審査の遅れや不交付につながるため、代行のご利用をおすすめします。
まとめ:金額は大きい。ただし「順番」がすべて
この記事のおさらい
- エコキュート・ハイブリッド給湯器で最大27万円/台
- 太陽光連携14万円/再エネ電力契約5万円/DR実証8万円の3ルート+加算
- 国の給湯省エネ2026事業と併用可能(合計で最大37万円も)
- 都・公社の同種助成金(東京ゼロエミポイント等)とは重複不可
- 契約前の事前申込が必須。順番を間違えると全額を取り逃がす
いちばんの落とし穴は「知らずに契約してしまうこと」
この制度で最も多い失敗は、要件を満たせなかったことではありません。制度を知る前に契約を結んでしまい、その時点で権利を失うことです。給湯器の故障で急いでいるときほど起こりやすく、しかも取り返しがつきません。
申請の手間はまとめて引き受けます
ご自宅がどのルートに該当するかの判定から、機種のご提案、事前申込の代行、国の給湯省エネ2026事業との併用申請まで一貫して対応しています。お客様にご用意いただくのは、同意書へのご記名など最小限の手続きだけです。
まずは「うちはいくらもらえるのか」を確かめてみませんか。
ご相談・現地調査・お見積もりはすべて無料。契約前のご相談だからこそ、意味があります。
【出典】クール・ネット東京(東京都地球温暖化防止活動推進センター)「令和8年度 熱と電気の有効利用促進事業」https://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/effective_utilization/r8/
本記事は2026年7月時点の公表情報をもとに作成しています。要件・金額・受付状況は変更される場合がありますので、申請前に必ず公式サイトおよび最新の手引きをご確認ください。
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