
「エコキュートの調子が最近おかしい…」と気になりはじめると、いつ故障するかという不安が頭をよぎるものです。エコキュートは適切なメンテナンスを行えば15年以上使用できる一方で、使い方を誤ると5年程度で故障してしまうこともあります。
本記事では、エコキュートの平均寿命や故障の前兆、長持ちさせるためのポイントを詳しく解説します。「まだ大丈夫かな」と不安を感じている方は、ぜひ最後までご一読ください。
エコキュートの基礎知識はこちらから:エコキュートとは?メリットや向いている人・失敗しない選び方
【各メーカー共通】エコキュートの平均寿命は何年?

エコキュートの平均寿命は、13年程度と考えておくのが無難です。なぜなら、主要メーカーであるダイキン、三菱、Panasonicなど各社で以下の傾向があるからです。
- メーカー保証期間が最長10年に設定されている
- 修理に必要な部品の保有期間が概ね10年となっている
- 機器の基本設計は10年程度の使用を想定している
中古等を使えば何年でも使えますが、13年を超えると修理に必要な部品が手に入りにくくなります。計画的な買い替えを検討する際は、設置から10年目を目安に貯蓄等の準備を始めることをおすすめします。
メンテナンスで15年程度に延ばすことも可能
エコキュートは適切なメンテナンスを行うことで、寿命を15年程度まで延ばすことも可能です。寿命を延ばすポイントは、以下の取り組みによる『トラブルの早期発見・早期対応』にあります。
トラブルの早期発見・早期対応につながる行動
- 定期的な配管まわりの点検
- フィルターの清掃
- タンク内の水質管理
- 異音や振動の確認
大切なのは、プロの目で細かな異常を見つけられる半年に1回程度の定期点検です。
ご自分でできるメンテナンスですので、定期的にやってみましょう。
なお、SNSや動画サイトで「20年使っている」という声を見かけた方もいるかもしれませんが、2001年のエコキュート発売当初からの稀なケースです。適切な使用環境と徹底的なメンテナンスがあって初めて実現できる使用期間といえます。
弊社ユニテックでは、3000件以上の施工実績から、13年を目安とした交換をおすすめしています。お客様の状況・環境に合わせたご提案いたします。少しでも異常を感じておられましたら、まずはお気軽にご相談ください。
寿命がきたエコキュートの替え時サインとなる実際の症状5選
エコキュートの寿命が近づくと、必ず何らかの症状が現れます。なかでも以下の5つのサインが出始めたら、交換時期が迫っていると考えて、早めの対策を検討しましょう。
エコキュートの替え時サイン
- エラーコードが出る
- お湯の温度調整ができない
- お湯が出ない
- 運転中に異音がする
- 変な振動がある
なお、修理で対応可能な場合もあるので、以下記事の内容も併せて参考にしてください。
エコキュートの修理が必要な故障の症状は?費用の目安や安くするコツを解説
エラーコードが出る
エラーコードの表示は、取扱説明書を確認すれば対処できる軽度なものから、専門業者による修理が必要な重度なものまでさまざまです。
特に注意が必要なのは、一度解消したエラーコードが繰り返し表示される場合です。内部の経年劣化が進行している証拠であり、近い将来より深刻な故障につながる可能性があります。
エラーコードが頻発する状態で使用を続けると、突然の故障や水漏れなど、予期せぬトラブルを引き起こす危険性が高まります。13年以上使用している機器でこのような症状が出た場合は、修理ではなく買い替えを検討する時期といえるでしょう。
運転中に異音がする
通常とは異なる音や、今までになかった音が発生する場合は、内部の機械部品が限界に近づいているサインです。特に『カタカタ』『ゴロゴロ』といった金属音や、『ビー』『キー』という甲高い音は、ポンプやファン、コンプレッサーなどの重要部品の劣化を示しています。
異音は、単なる不快な騒音という問題だけでなく、突然の故障や発火の危険性まであります。内部部品の摩耗や破損が進行している証拠でもあり、放置すれば修理費用が本体交換と同等以上になることもあるでしょう。
変な振動がある
異常な振動は、エコキュートの内部構造に問題が発生している証です。設置から13年以上経過した機器で振動が出始めた場合、本体の固定部分の緩みや、内部機器の劣化が原因として考えられます。
振動は徐々に大きくなり、最終的には本体の転倒や配管の破損など、重大事故につながります。また、振動は周辺の配管や電気配線にも悪影響を及ぼし、家屋全体に被害が及ぶ危険性もあるでしょう。
お湯の温度調整ができない
温度調整の不具合は、エコキュートの心臓部であるヒートポンプユニットの劣化を示すサインです。設定温度と実際の湯温が異なったり、突然温度が変化したりする症状は、内部の温度センサーや制御基板の故障が考えられます。
この状態のまま放置すると、過度な電力消費や突然の高温湯による火傷の危険性があります。また、温度制御の不具合は他の部品への負担も大きく、システム全体の寿命を急激に縮める原因となりかねません。安全面を考慮しても、この症状が出たら早めの買い替えを検討しましょう。
お湯が出ない
湯切れでもないのにお湯が出ないという状況は、エコキュートの給湯器能が完全に停止している危険な状態です。貯湯タンクやヒートポンプユニット、あるいは配管系統の不具合が考えられます。
内部での水漏れや配管の詰まりが原因の場合、放置すると家屋への水損被害や電気系統のショートなど、二次被害を引き起こす可能性もあります。症状が出た時点で、修理ではなく買い替えを真剣に検討してください。
エコキュートは水漏れしても故障していない場合がある?

エコキュートから水が出ているのを発見すると、多くの方が故障を心配します。しかし、すべての水漏れが故障というわけではありません。
注意が必要なのは、以下のような状況です。
注意が必要な状況
- 運転していないのに排出口から水が出続けている
- 本体や配管から過剰な水が染み出している
- 設置場所の床が常に濡れている
普通に使えていたとしても、こうした症状がある場合は故障していると考えて、長く使うためにも専門業者による点検をおすすめします。
結露との見間違いに要注意
梅雨時期や夏場は、本体表面や配管に大量の結露が付き、まるでエコキュートから水漏れしているかのように周辺が水浸しになることもあります。故障ではありませんが、判断に迷った場合は以下の点をチェックしてみましょう。
判断に迷った場合のチェックポイント
- 水が出ている場所は排水口やドレン管からかどうか
- 季節や天候との関係性はないか
- 水の量が極端に多いかどうか
どうしても気になる場合、環境等でも変化がない場合などは、長期間の放置をおすすめできません。水漏れが正常な結露なのか、それとも故障の兆候なのか、専門家への相談をおすすめします。
エコキュートによくある4つの故障の原因
エコキュートの寿命を縮める原因は、以下の4つに集約されます。
エコキュート故障の原因
- 水漏れしてるのに、ほったらかしにしている。
- 水質がエコキュート向きではない
- 設置環境と機種があっていない
- 非推奨の入浴剤を使ってしまった
水漏れしてるのに、ほったらかしにしている。
エコキュートの高温側の配管が水漏れしていると湯気で基盤等が故障することが多々あります。ご自分で目視で点検し、水漏れがあれば、専門業者による点検実施が推奨されます。
水漏れ点検を怠ると、以下のような問題を引き起こす可能性が高まります。
水漏れを放置した場合に起こる問題
- 配管内部に水蒸気により、水分が徐々に蓄積し、ショートする。
- 部品の劣化が進行しているにも関わらず、気づけない
- 小さな不具合が大きな故障に発展してしまう
ご自分で定期点検をすることで未然に防ぎ、エコキュートの寿命を延ばしましょう。
水質がエコキュート向きではない
水道水以外の水(井戸水・温泉水・地下水など)には、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が多く含まれています。成分の影響によって、以下のような問題が起こりやすくなります。
成分の影響で起こる問題
- 配管内部にスケールが付着し、水の流れが悪くなる
- 熱交換効率が低下し、運転効率が落ちる
- ポンプや弁など、可動部分の動きが鈍くなる
問題を防ぐためには、設置前に水質検査を行い、必要に応じて軟水化装置の設置の検討をおすすめします。
設置環境と機種があっていない
エコキュートには設置環境に応じた専用機種が用意されています。例えば、寒冷地仕様や耐塩害仕様などです。この機種は、それぞれの環境で起こりやすい問題に対応できるよう設計されています。
環境に合わない機種を設置してしまうと、凍結による配管破損のリスクが高まったり、海岸部では塩害による腐食が進行しやすくなったりします。機器に過度な負担がかかり、寿命が短くなることも踏まえて適切な機種を選びましょう。
非推奨の入浴剤を使ってしまった
入浴剤の中には、エコキュートの内部を傷める成分を含むものがあります。特に、追いだき機能付きの機種では、入浴剤の成分が配管内を循環するため要注意です。
非推奨の入浴剤を使った場合に起こること
- 配管内部の腐食が進行する
- 循環ポンプに負担がかかる
- 熱交換器の効率が低下する
必ずメーカー推奨の入浴剤を使用するか、最初から循環機能を使わずに利用しましょう。こうした日々の積み重ねが、結果としてエコキュートの寿命を延ばすことにつながります。
エコキュートを長持ちさせる6つの方法

エコキュートを13年以上長持ちさせるためには、日々の適切なケアが欠かせません。以下の6つの方法を実践して故障リスクを抑え、寿命を延ばしましょう。
エコキュートを長持ちさせる6つの方法
- エコキュート本体の位置はそのまま使う
- 週1回のフィルター掃除を行う
- 必要に応じて点検・メンテナンスをする
- 年2回~3回の水抜き・漏電遮断器点検をする
- なるべく普通の水道水を使う
- ヒートポンプ周辺の目視チェック
エコキュート本体の位置はそのまま使う
エコキュートの設置位置を変更すると、配管の接続不良や排水の問題を引き起こす可能性があります。どうしても移動が必要な場合は、以下の手順で対応してください。
移動の手順
- まず、メーカーのサービス窓口に連絡し、移動の可否を確認
- 移動可能な場合は、必ず専門業者に依頼(DIY不可)
- 業者選びは、そのメーカーの正規取扱店を優先
- 見積もり時に、配管やドレン管の新設工事の有無を確認
- 移動後は必ず試運転を依頼し、異常がないか確認
もし既に自己判断で移動してしまった場合は、早急に専門業者による点検を受けてください。配管接続部からの水漏れや、排水不良による故障を防ぐためです。
週1回のフィルター掃除を行う
フィルターの目詰まりは、エコキュートの性能低下を招く原因です。週1回の掃除を習慣化できれば、小さな症状から発展する大掛かりな故障トラブルを未然に防げます。
フィルター掃除の流れ
- 浴槽の排水栓を抜く
- フィルターを取り外す(反時計回りに回すタイプが多い)
- 水道水で汚れを洗い流す
- 目の細かい部分は歯ブラシで優しくこする
- 完全に乾かしてから元に戻す
掃除中にフィルターの破損や劣化に気付いたら、メーカー純正品との交換をおすすめします。交換は説明書に書かれている場合に限り自分でも可能ですが、自信がない場合は業者に依頼してください。
必要に応じて点検・メンテナンスを受ける
エコキュートの不具合は、早期発見・早期対応が重要です。以下のタイミングで必ず点検を実施しましょう。
内容 | 実施時期 | 詳細 |
---|---|---|
冬季前の凍結防止対策チェック | 10月頃 | - 配管の保温材の状態確認 - 凍結防止ヒーターの動作確認 |
逃し弁の点検 | 年3回程度 | - 水漏れの有無確認 - レバー操作での動作確認 |
異音や振動発生時の点検 | 随時 | 点検依頼 |
点検依頼は、設置業者かメーカーのサービス窓口へ連絡してください。年間メンテナンス契約があれば、定期点検も含まれている場合があります。
年2回~3回の水抜き・漏電遮断器点検を受ける
エコキュートの寿命を延ばすために、年2回〜3回の水抜き・漏電遮断器点検を受けることもポイントです。
こうした大規模なメンテナンスは、専門知識と資格が必要となるため、業者に依頼してください。費用は地域や業者によって異なりますが、1回あたり1万円前後が目安です。
なるべく普通の水道水を使う
エコキュートに使う水は、水道水から供給する基本のルートを守りましょう。
井戸水といった特殊な環境である場合、また水質に不安がある場合は、水質改善装置の設置を検討してください。設置の相談は、エコキュートの取扱店で可能です。
ヒートポンプ周辺の目視チェック
ヒートポンプの周囲は通気が悪いと運転効率の低下を招き、最悪の場合は故障の原因となります。最初は問題なくても、徐々に各パーツに負荷をかけてしまいかねません。
ヒートポンプ周辺のチェック方法
- 落ち葉や枯れ枝の除去
- 水漏れチェック
- 物置や自転車などの移動
- 台風シーズン前の飛散物
- 積雪時の除雪
上記のような観点から、月1回程度の周辺チェックを習慣化してください。可能な限り、周りに物を置かないことが基本です。
エコキュートの寿命が気になる方はユニテックへご相談ください
エコキュートの寿命は、13年が一般的な目安ですが、定期的なメンテナンスで15年以上使用できる可能性もあります。一方で、放置すれば5年程度で故障するリスクも捨てきれません。
日々のケアポイントは、以下のとおりです。
ケアのポイント
- 週1回のフィルター清掃
- 年2〜3回のご自分による点検
- 水質管理と適切な入浴剤の使用
- ヒートポンプ周辺の環境整備
ユニテックでは、気になる症状をヒアリングしたうえで、必要に応じて現地調査から適切にご対応いたします。
修理が難しいケースでは交換にも対応しており、万全のアフターフォロー体制も整っております。経験豊富な専門スタッフが、お客様の状況に合わせた最適なプランをご提案いたしますので、お気軽にお声がけください。