賃貸のエコキュートが故障したらどうする？修理費用は自己負担かを解説

賃貸物件に住んでいて、突然エコキュートが故障してしまったことはありませんか？朝シャワーを浴びようとしたらお湯が出ない、お風呂を沸かそうとしたら水漏れしている…。そんな状況に直面すると、だれに連絡すべきか、修理費用は自分持ちなのかと不安になりますよね。

結論から言うと、賃貸物件のエコキュートが故障した場合、修理や交換の費用は基本的に大家や管理会社が負担します。エコキュートが賃貸物件の設備として扱われるからです。ただし、入居者の過失による故障の場合は、修理費用を自己負担しなければならないケースもあります。

この記事では、賃貸物件でエコキュートが故障した際の適切な対処法や、修理費用の負担者、故障時の補償内容などについて詳しく解説します。知識を身につけて、トラブル発生時も冷静に対応できるようになりましょう。

賃貸のエコキュートが故障したら管理会社と大家に連絡を入れる

賃貸物件でエコキュートが故障した場合、最初にすべきことは管理会社や大家への連絡です。エコキュートは賃貸物件の設備の一部であり、その修理や交換は基本的に管理会社や大家の責任となります。

連絡する際には、以下の情報を伝えるとスムーズです。

管理会社や大家と連絡が取れない場合は、契約を結んだ不動産会社に連絡してみましょう。不動産会社が管理会社や大家に代わって連絡を取ってくれる場合もあります。

重要なのは、故障を発見してすぐの連絡です。放置すると状況が悪化し、より大きな問題につながる可能性があります。連絡した内容は記録として残しておくと、後々のトラブル防止になります。

個人での修理は厳禁

賃貸物件のエコキュートが故障した場合、自分で修理業者を手配するのは避けるべきです。個人で修理を依頼すると、以下のようなリスクがあります。

たとえ緊急を要する状況でも、まずは管理会社や大家に連絡し、対応方法について指示を仰ぐことが重要です。管理会社や大家の許可なく修理を進めると、後々トラブルの原因になりかねません。

賃貸におけるエコキュートの故障でよくある5つの症状

賃貸物件に設置したエコキュートでよく見られる故障の症状には、以下があります。

電源が入らない / 液晶がつかない

1つ目は、電源が入らない、またはリモコンの液晶画面が表示されないケースです。主に、落雷や停電の後によく発生し、エコキュートの電源基板や制御系統に問題が生じることで発生します。そのほかにも、

などの場合もあります。「昨日まで普通に使えていたのに、今朝突然リモコンの表示が消えた」「操作しても反応がない」という状態であれば、故障を疑いましょう。

まずは電源プラグの抜き差しやブレーカーの確認をしてみることをおすすめします。それでも改善しない場合は、賃貸の大家または管理会社に連絡しましょう。

お湯が出ない

2つ目は、お湯が出ないという症状です。お湯が出ない原因としては、エコキュート本体の故障、そして単純な湯切れの2つの可能性があります。

湯切れの場合は、貯湯タンク内のお湯を使い切ってしまっただけなので、沸き増し機能を使うか時間が経てば解決します。しかし、沸き増し操作をしてもお湯が増えない場合は、ヒートポンプユニットや制御系統の故障が考えられるでしょう。

「水は出るがお湯にならない」「蛇口をひねってもまったく水が出ない」といった症状も、賃貸物件のエコキュートの故障を示している可能性があります。冬季には配管の凍結が原因となることもあるため、状況に応じた判断が必要です。

水が漏れている

3つ目は、水漏れです。賃貸物件にあるエコキュートの代表的な故障症状の1つであり、放置すると深刻な被害につながる可能性があります。

水漏れは主に、貯湯タンクの劣化や配管接続部の緩み、弁やパッキンの劣化などが原因で発生します。設置から10年以上経過したエコキュートでは、タンク内部の腐食による水漏れが起こりやすいです。

といった状況を発見したら、すぐに管理会社や大家に連絡しましょう。水漏れは放置すると階下への漏水被害を引き起こし、賠償問題に発展する恐れもあります。

お湯の温度にムラがある

4つ目は、お湯の温度にムラがあるという症状です。温度ムラの原因としては、混合弁の故障や温度センサーの不具合、制御基板の故障などが考えられます。季節的な要因として、冬場は外気温が低いため設定温度まで沸き上げるのに時間がかかることもあるでしょう。

「設定温度と実際の温度が大きく異なる」「お湯の温度が突然変わる」といった症状がある場合は、エコキュートの故障を疑いましょう。温度を管理する部品が故障している可能性が高いため、専門的な点検が必要です。

異音がする

5つ目は、異音がするという症状です。エコキュートは通常、運転中にブーンという稼働音がしますが、それ以外の異常な音は故障のサインかもしれません。

異音の原因としては、ヒートポンプユニットのファンの不具合、ポンプの故障、配管内の空気溜まり、弁の動作不良などが考えられます。「カタカタ」「ガタガタ」といった金属音や、「キーン」という高音は要注意です。

といった状況があれば、エコキュートの故障を疑うのが大切です。異音を放置すると、より深刻な故障につながる可能性があります。

賃貸に設置されたエコキュートの修理費用はだれが払う？

賃貸物件に設置されたエコキュートが故障した場合、修理費用の負担者について知っておくことは重要です。基本的には以下の2つのケースに分かれます。

基本は賃貸物件を管理する大家や管理会社

基本的に、賃貸物件に設置されたエコキュートの修理費用は大家や管理会社が負担します。エコキュートが賃貸物件の付帯設備であり、大家や管理会社が管轄する対象だからです。

民法では、賃貸人(大家)には「修繕義務」があると定められています。賃借人(入居者)が物件を適切に使用できるよう、設備を正常な状態に保つ義務のことです。エコキュートの経年劣化や通常使用による故障は、この修繕義務の対象となるのが一般的です。

自分が使っていて壊れたからといって、修理費用を入居者が負担する必要は基本的にありません。エコキュートが故障した場合は、速やかに管理会社や大家に連絡し、修理を依頼しましょう。

故障原因によっては入居者の自己負担

ただし、エコキュートの故障が入居者の過失である場合は、修理費用を入居者が負担しなければならないことがあります。入居者の過失による故障とは、以下のようなケースが考えられます。

例えば、エコキュートの周りに物を置いて通気を妨げたり、フィルターの掃除を長期間怠ったりして故障した場合は、入居者の責任となるといった具合です。

故障の原因が不明確な場合は、管理会社や大家と話し合いが必要になることもあります。この場合、修理業者の診断結果が重要な判断材料となります。いずれにせよ、故障を発見したら速やかに管理会社や大家に連絡し、対応を相談しましょう。

賃貸のエコキュートの故障で大家・管理会社ができる対処法

賃貸物件のエコキュートが故障した場合、大家や管理会社が取るべき対処法には以下のようなものがあります。

入居者と一緒に現状を確認する

大家や管理会社がまず行うべき対処法は、入居者と現状を確認することです。エコキュートの故障状況や発生時期、使用状況などを詳しく聞き取り、問題の把握に努めます。

電話やメールでの確認だけでなく、必要に応じて現地調査を行うことも重要です。実際に目で見て確認することで、故障の原因や程度をより正確に把握できます。入居者の生活にどの程度支障が出ているかを確認し、対応の優先度を判断します。

この段階で、修理や交換の必要性、費用負担の考え方、今後の対応スケジュールなどについて入居者と話し合うことが大切です。入居者に対して丁寧に説明し、不安を取り除くことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

保険の有無を確認する

次に大家や管理会社が行うべき対処法は、保険の有無を確認することです。賃貸物件では、設備の故障や破損に備えて保険に加入しているはずです。

例えば、火災保険や施設賠償責任保険、設備機器保険などが適用される可能性があります。保険証券を確認し、エコキュートの故障が補償対象となるかを調べましょう。保険が適用されれば、修理や交換の費用負担を軽減できます。

保険会社への連絡や手続きは、大家や管理会社が行うのが一般的です。保険適用のためには、故障状況の写真や修理業者の見積書などが必要になることが多いので、事前に準備しておくとスムーズです。

業者へ依頼する

最後に大家や管理会社が行うべき対処法は、適切な業者へ修理や交換を依頼することです。エコキュートの修理や交換は専門的な知識と技術が必要なため、信頼できる業者に依頼することが重要です。

依頼先としては、以下のような選択肢があります。

専門業者に依頼することをおすすめします。専門業者は豊富な経験と知識を持ち、迅速かつ適切な対応が期待できます。修理と交換のどちらが経済的かという判断も的確に行えます。

業者選びの際は、実績や評判、対応の迅速さ、アフターサービスの充実度などを考慮しましょう。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することも大切です。

賃貸のエコキュートの故障で入居者ができる対処法

賃貸物件でエコキュートが故障した場合、入居者自身でも以下の対処法を試すことができます。

電源を確認する

エコキュートが動作しない場合、まず電源が正常に供給されているかを確認しましょう。電源が入っていないケースは意外と多く、簡単に解決できることもあります。

確認すべきポイントは以下のとおりです。

落雷や大雨の後は、ブレーカーが落ちていることがあります。長期不在後に戻ってきた際にエコキュートが動作しない場合も、電源の確認から始めると良いでしょう。

電源プラグの抜き差しやブレーカーのリセットで復旧することもあるので、管理会社に連絡する前に一度確認してみることをおすすめします。

エラーコードを確認する

エコキュートのリモコンにエラーコードが表示されている場合は、その内容を確認しましょう。エラーコードは故障の原因を特定するための重要な手がかりとなります。

エラーコードの確認方法は以下のとおりです。

エラーコードによっては、自分で対処できる簡単な問題もあります。例えば、「湯切れ」を示すエラーコードなら、沸き増し機能を使うことで解決できます。「フィルター詰まり」のエラーコードなら、フィルターの清掃で改善することもあります。

ただし、複雑な故障を示すエラーコードの場合は、無理に対処せず、管理会社や大家に連絡しましょう。

▶︎ メーカーごとのエコキュートエラーコード一覧｜原因と対処法

指定の掃除を行う

エコキュートの性能低下や軽度の故障は、適切な掃除で改善します。取扱説明書に記載されている掃除方法にしたがって、定期的なメンテナンスを行いましょう。

フィルターの掃除は、水道の元栓を閉めてから行うなど、安全に配慮して実施しましょう。掃除の際に無理な力を加えると、部品を破損させる恐れがあるので注意が必要です。

定期的な掃除を行うことで、エコキュートの寿命を延ばし、故障を予防できます。ただし、掃除をしても改善しない場合は、専門的な修理が必要な可能性が高いので、管理会社や大家に連絡しましょう。

まとめ

賃貸物件でエコキュートが故障した場合、基本的な対処は速やかに管理会社や大家に連絡することです。

修理費用は原則として大家や管理会社が負担しますが、入居者の過失による故障の場合は自己負担となる可能性があります。故障の症状としては、電源が入らない、お湯が出ない、水漏れ、温度ムラ、異音などが代表的です。

ユニテックは累計3000件以上の実績を持つ専門スタッフが対応し、確かな技術力で迅速に問題を解決します。エラーコードの表示、水漏れ、お湯が出ないといった症状を素早く診断・修理し、入居者満足度の維持に貢献します。

全メーカー対応可能なため、どのような機種でも安心してお任せください。

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賃貸のエコキュートの故障に関するよくある質問(FAQ)

賃貸の給湯器が壊れたらどうすればいいですか？

はい、賃貸の給湯器が壊れたら、まず管理会社や大家に連絡することが最優先です。連絡する際には、いつから故障に気づいたか、どのような症状が出ているかを具体的に伝えましょう。

エラーコードが表示されている場合は、そのコードも伝えると対応がスムーズになります。自分で修理業者を手配することは避け、必ず管理会社や大家の指示にしたがってください。

マンションのエコキュートが壊れたらどうすればいいですか？

はい、マンションのエコキュートが壊れた場合も、賃貸物件と同様に管理会社や大家に連絡するのが基本です。マンションの場合、共用部分に設置しているエコキュートと、専有部分に設置しているエコキュートで対応が異なります。

共用部分のエコキュートであれば、管理組合や管理会社が修理を担当します。専有部分のエコキュートであれば、賃貸の場合は大家や管理会社、分譲の場合は自己負担となることが一般的です。

エコキュートが故障している間の銭湯代は払ってもらえる？

はい、エコキュートが故障している間の銭湯代は、払ってもらえる可能性が高いです。賃貸契約において貸主(大家)には、借主が物件を適切に使用できるよう維持する義務があるためです。

エコキュートの故障によりお風呂が使えない状況は、物件の一部が使用できない状態と見なされます。そのため、代替手段として銭湯を利用した場合の費用は、貸主側が負担するのが妥当とされています。

参照：給湯器が故障して風呂が使えなかった期間の家賃を減額してもらえる？

エコキュート・給湯器が故障している間の家賃減額は可能？

はい、エコキュートや給湯器が故障している間の家賃減額は可能です。民法第611条では、賃借物の一部が使用できなくなった場合、その割合に応じて賃料を減額できると定められています。

公益財団法人日本賃貸住宅管理協会のガイドラインによれば、風呂が使えない場合の減額割合は家賃月額の10％程度とされています。免責日数(通常3日程度)が設定されていることも一般的です。

参照：給湯器が故障して風呂が使えなかった期間の家賃を減額してもらえる？

ホテル代など宿泊費は払ってもらえる？

いいえ、エコキュートが故障したからといって、ホテル代などの宿泊費を全額払ってもらえる可能性は低いです。エコキュートの故障は確かに不便ですが、通常は部屋を一時的に離れなければならないほどの重大な支障とは見なされないためです。

エコキュートが故障してもお風呂に入れない、お湯が使えないという程度のトラブルであれば、銭湯やスポーツジムなどの代替手段で対応できると判断されます。ホテルでの滞在を選ぶのは入居者個人の判断によるものとみなされ、その費用を大家や管理会社に全額請求するのは難しいでしょう。

エコキュートが故障しているのに対処してもらえなかったら？

はい、エコキュートが故障しているのに管理会社や大家が適切に対処してくれない場合は、段階的に対応を進める必要があります。

まず、電話だけでなく、メールや書面で修理依頼を正式に行いましょう。依頼の記録が残ります。その際、故障の状況や生活への影響を具体的に記載し、早急な対応を求めることが重要です。