
エコキュートは約20〜50万円という大きな買い物です。できるだけ故障しない、壊れにくい機種を選びたいと考えるのは当然のことでしょう。
しかし、結論からいえば「絶対に故障しない」エコキュートは存在しません。複雑な機械であり、使用していくなかで部品の劣化や不具合が起きるのは避けられないためです。
大切なのは、「故障しない」エコキュートを探すことではなく、より長く安心して使える製品を選ぶことです。具体的には、充実した保証サービスがあり、万が一の故障時にも迅速な対応が期待できるメーカーの製品を選ぶことが賢明です。
この記事では、エコキュートの故障に関する正しい知識と、より長く快適に使い続けるためのポイントを紹介します。メーカー選びの判断材料として、ぜひ参考にしてください。
完全に故障しない機種はありませんが、お客様の状況に応じて選ぶことで長く使える1台を見つけられます。ユニテックでは全メーカーの知見を持つ専門店として、修理から交換に至るまでご提案いたします。
故障しないエコキュートは存在しない

繰り返しとなりますが、「故障しないエコキュート」を探している方は多いものの、残念ながらそのような製品は存在しません。エコキュートの耐用年数は10〜15年と言われており、使用していくなかで部品の劣化や不具合が生じるのは避けられない現実です。
一般的に、設置から5〜8年程度で何らかの不具合が出てくるのは珍しくありません。ただし、購入後2〜3年という早い段階で故障するケースは、使い方もしくは製品に問題があったと考えられます。
また、特定のメーカーが特別壊れやすいという事実はなく、各社とも品質管理を徹底しています。むしろ、設置環境や使用状況、メンテナンス頻度によっても故障リスクは変わってきます。
そのため、「壊れない製品選び」よりも、「万が一の故障に備えた保証の充実度」や「使用環境に合った機種選び」の重視をおすすめします。
関連記事:エコキュートの寿命は何年?故障の原因や替え時のサイン・症状とは?
保証サービスの充実度が壊れにくさのカギ
エコキュートに付属した充実した保証サービスがあれば、修理費用の心配なく長く使い続けることができます。実際、「このメーカーを選んでよかった」という満足の声の多くは、手厚い保証サービスが主な理由であることも少なくありません。
例えば、基本保証期間が長いメーカーや、部品の保証範囲が広いメーカーを選ぶことで、突然の故障にも慌てることなく対応できます。また、延長保証制度が充実しているメーカーなら、長期間の安心も手に入れられるでしょう。
つまり、「故障しない」という観点では、実際の故障頻度よりも、故障時の費用負担がどれだけ抑えられるかが重要なポイントとなります。保証サービスが充実していれば、たとえ不具合が発生しても「故障で困った」という不満は少なくなるはずです。
故障しにくいエコキュートに共通する3つの特徴
故障しにくい・故障に強いエコキュートを選ぶポイントとして、以下の3つの特徴があるかを確認しましょう。
故障しにくい・故障に強いエコキュートを選ぶポイント
- アフターサービス・保証内容が充実している
- メーカー保証の期限が長い
- 延長保証で長く使える
アフターサービス・保証内容が充実している
エコキュートの保証内容は各メーカーで異なりますが、基本的なメーカー保証は1〜5年程度です。以下は、各メーカーにおけるおおよその保証期間の目安です。
メーカー | 標準保証期間 | 最大延長保証期間 | 保証内容の特徴 |
---|---|---|---|
コロナ | 2年~5年 | 10年 | コロナ延長保証システム アフターが充実 |
日立 | 1年~5年 | 10年 | オール電化延長サービス |
パナソニック | 1年~5年 | 10年 | 長期安心修理サービス |
三菱 | 2年~5年 | 10年 | スマート電化保証制度 |
ダイキン | 1年~5年 | 10年 | ダイキン延長保証サービス |
延長保証に加入し忘れたお客様 | ー | 月々300円~ 10年まで | くらしテプコの保証 10年以下で多彩 |
充実した保証内容を持つメーカーの特徴として、標準保証期間が長く、延長保証も最大10年まで対応可能な点が挙げられます。耐用年数近くまで保証が続けば、故障しにくいと判断しても良いかもしれません。
メーカー保証の期限が長い
エコキュートのメーカー保証は、一般的に購入後1〜5年の期間が設定されています。ただし、部品や部位によって保証期間が異なるのが特徴です。
例えば、貯湯タンクは5年、ヒートポンプユニットは3年というように、重要な部位ほど長い保証期間が設定されています。東芝のように、本体全体で5年という手厚い保証を標準で提供しているメーカーもあります。
メーカー保証が長いということは、それだけメーカーが自社製品の品質に自信を持っているという証でもあります。
延長保証で長く使える
エコキュートの延長保証は、多くのメーカーが最長10年までの保証期間を設定しています。一般的な耐用年数とほぼ同じ期間であり、機器の寿命までカバーできる保証といえます。
ただし、延長保証を利用する場合は注意点があります。修理が発生した際、購入からの経過年数に応じて保証の適用範囲や補償額が変動する仕組みを採用しているメーカーがほとんどです。
例えば、5年目以降は修理費用の70%が保証対象、7年目以降は50%というように、年数経過とともに自己負担額が増える点には留意してください。
エコキュートの修理は、最適なタイミングを逃すと高額になりやすいです。ユニテックなら豊富な施工実績を活かし、お客様の環境に合った最適な修理プランをご提案します。まずは無料調査で、気になる機器の症状をチェックしませんか?
エコキュートを故障しにくい状態にする4つの工夫

故障しにくいエコキュートと出会い、維持していくための工夫として、以下の4つが挙げられます。
エコキュートを故障しにくい状態にする工夫
- 気候や水質に合う機種を選ぶ
- 日ごろのメンテナンスを徹底する
- シンプルな機能を持つ機種を選ぶ
- 設置スペースは十分な広さを確保する
気候や水質に合う機種を選ぶ
エコキュートは、設置環境によって選ぶべき機種が変わってきます。
寒冷地では凍結のリスクが高まるため、-25℃まで対応可能な寒冷地仕様を選ぶ必要があります。また、海岸近くの塩害地域では、潮風による腐食を防ぐため、耐塩害仕様や耐重塩害仕様の機種が最適です。
そのほか、井戸水にはカルシウムなどの硬度成分が含まれていることも多く、配管やタンク内部にスケール(水垢)が付着しやすくなります。そのため、水質検査を行い、メーカー基準を満たしているか確認したうえで、井戸水対応の機種を選ぶことが重要です。
日ごろのメンテナンスを徹底する
エコキュートを故障しにくい状態に保つには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
なかでも手軽なことから実践してほしいのが、給水フィルターの清掃です。フィルターが目詰まりすると水の流れも悪くなり、ポンプに負担がかかって故障の原因となります。
また、年に1回程度は貯湯タンクの水抜きを行い、タンク内部の清掃をすることをおすすめします。さらに、安全装置である漏電遮断器の動作確認や、逃し弁の点検も定期的に行いましょう。
関連記事:エコキュートのメンテはこれだけでOK!寿命を長持ちさせるお手入れ方法を伝授
シンプルな機能を持つ機種を選ぶ
エコキュートには、給湯専用タイプからフルオートタイプまで、さまざまな機能を持つ機種があります。しかし、機能が多いほど内部構造は複雑になり、故障のリスクも高まりやすいです。
もっともシンプルなのは給湯専用タイプで、お湯を沸かして供給する基本機能に特化しています。一方、追い焚きや自動湯はり機能を備えたフルオートタイプは、より多くの部品で構成されているため、修理が必要になった際の費用も高額になりやすいでしょう。
もちろん、ライフスタイルに合わせて必要な機能は確保すべきですが、使用頻度が低い機能までついた機種を選ぶことは、故障リスクを不必要に高めることになりかねません。実際の使用状況に合わせて、必要十分な機能を持つ機種を選びましょう。
設置スペースは十分な広さを確保する
エコキュートの性能を最大限に発揮させ、故障を防ぐためには、適切な設置環境を整えることも重要です。エコキュートには排気口があり、塞がれると運転効率が低下し、機器に負担がかかってしまいます。
メーカーが指定する設置スペースは、機器の性能を維持するための最低限必要な空間です。本体の周りに物を置いたり、建物の壁に近づけすぎたりすると、十分な換気ができず、ヒートポンプの効率が落ちてしまいます。
また、メンテナンス時の作業スペースも考慮に入れる必要があります。設置時には将来的な使用状況も想定し、余裕を持ったスペースを確保しましょう。
知っておきたいエコキュートの修理・交換が必要な症状
エコキュートの故障は、放置すると日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。以下の症状が出た場合は、修理や交換を検討する必要があります。
故障 | 症状 |
---|---|
貯湯タンクの故障 | - お湯の出が悪い - タンクからの水漏れ - 異常な音や振動 |
ヒートポンプユニットの故障 | - エラーコードの表示 - 沸き上げに時間がかかる - 運転音が大きい |
配管の故障 | - 配管からの水漏れ - 凍結による破損 - 給湯温度が安定しない |
リモコンの故障 | - 表示が消える・薄くなる - ボタン操作が効かない - 設定温度が変更できない |
この症状が出た場合、取扱説明書で対処方法を確認し、自己解決できないときは専門業者への相談をおすすめします。特に水漏れやエラーコードが表示された場合は、早めの対応が重要です。
関連記事:エコキュートの修理が必要な故障の症状は?費用の目安や安くするコツを解説
エコキュートの修理費用の目安
エコキュートの修理費用は、故障箇所や症状によって大きく異なります。軽微な部品交換であれば1万円程度で済むこともありますが、貯湯タンクの故障など重度の場合は30万円を超えることもあります。
参考までに、主な故障の修理費用は以下のとおりです。
故障の種類 | 修理費用の目安 |
---|---|
部品交換(軽微な故障) | 2万~3万円 |
リモコンの故障 | 2万~3万円 |
配管(漏水・詰まり) | 1万5,000円~7万5,000円 |
異音の発生 | 2万~3万5,000円 |
電気系統の故障 | 2万~15万円 |
ヒートポンプの故障 | 3万5,000円~20万円 |
貯湯タンクの故障 | 10万~30万円 |
この費用には、基本的に部品代と工賃が含まれています。保証期間内であれば無料で修理できる場合もあるため、購入時の保証書は大切に保管しておきましょう。
関連記事:エコキュートの交換費用はどのくらい?相場やお得な交換方法を紹介
なかなか故障しないエコキュートにも要注意

エコキュートを13年以上トラブルなく使い続けていると、「うちのエコキュートは故障しない」と過信しやすいです。しかし、実際に内部では、貯湯タンクや配管が日々少しずつ劣化しています。
例えば、水質が硬い地域では内部に水垢が付着し、配管の詰まりや腐食の原因となります。また、タンク内部の保温材や電気系統も経年劣化は避けられません。
長年故障せずに使えているエコキュートほど、突然の不具合や故障のリスクが高まっているともいえます。10年以上使用している場合、小さな修理で済むケースは少なく、タンク本体の劣化が進んでいると考えられるため、完全な故障に至るケースが増えてきます。
13年以上故障なく使えているエコキュートでも、定期的な点検を欠かさず、少しでも気になる症状があれば、早めに専門家に相談しましょう。
まとめ
エコキュートは複雑な機械であり、完全に故障しない製品は存在しません。。しかし、賢い選び方と適切な使用方法で、より長く快適に使い続けることは可能です。
故障リスクを抑えるポイントは、以下の3つに集約されます。
故障リスクを抑えるポイント
- 保証サービスが充実したメーカーを選ぶ
- 設置環境に合った機種を選ぶ
- 適切な使用とメンテナンスを怠らない
エコキュートは40~70万円という大きな投資です。「故障しない製品」を探すのではなく、充実した保証と適切なメンテナンスで、投資に見合う長期間の安心を手に入れることが賢明な選択といえます。
ユニテックでは全メーカーの知見を持つ専門店として、修理から交換に至るまでご提案いたします。気になる症状が1つでも思い浮かべば、すぐご連絡ください。