エコキュートのお手入れは、定期的に行うことが大切ですが、どのくらいの頻度でお手入れしていますか?エコキュートを長く使いたい、エコキュートの性能を維持したい、エコキュートを故障させたくないという方にとって、定期的なお手入れは欠かせません。しかし、なかなか手が回らない方も多いでしょう。
そこでこの記事では、エコキュートのお手入れ方法や頻度について詳しく解説します。正しいお手入れを行うことで、性能や安全性を維持し、長く使えるように管理する参考にしてください。
掃除していない?エコキュートのお手入れとは
エコキュートは、日々の使用により、内部の汚れや劣化が進行します。これらが進行すると、エコキュートの性能が低下し、故障の原因となることもあります。
そのため、定期的なお手入れは必要不可欠です。
適切なお手入れは、その性能を維持し、寿命を延ばすために重要です。自分で行える基本的なお手入れ方法を覚え、エコキュートを長持ちさせましょう。
エコキュートを掃除しないとどうなるか
エコキュートは高い経済性と環境性能を持っていますが、掃除しないとどうなるのでしょうか。ここでは、エコキュートの掃除を怠ると起こりうる3つの問題について解説します。
掃除しないと…
- 性能の低下
- 故障のリスク
- 寿命の短縮
性能の低下
エコキュートは、外気から熱を取り込むためにファンや熱交換器などの部品が露出しています。そのため、ほこりや花粉、落ち葉などの汚れが付着する可能性があります。
これらの汚れは、エコキュートの性能を低下させる原因になります。たとえば、ファンに汚れが付着すると、回転がスムーズに行われず、消費電力が増えたり、騒音が発生したりします。
また、熱交換器に汚れが付着すると、熱効率が悪くなり、お湯の温度が下がったり、沸かす時間が長くなったりします。
故障のリスク
エコキュートを掃除しないと、汚れが部品にダメージを与える可能性もあります。たとえば、ファンや熱交換器に付着した汚れが水分を含むと、錆や腐食の原因になります。
これにより、部品の劣化や破損が起こりやすくなります。また、汚れが詰まったり、異物が入ったりすると、故障や火災の危険性も高まります。
寿命の短縮
エコキュートは長期間使用できる製品ですが、掃除を怠ると寿命が短くなる可能性もあります。エコキュートの寿命は一般的に10年から15年程度と言われていますが、それは適切なメンテナンスを行っている場合です。
掃除をしないと、上記のように性能低下や故障が起こりやすくなります。これにより、エコキュートの負荷が増えたり、修理費用がかかったりします。
このように、エコキュートの掃除は定期的に行うことが、長くそして安心して使うためにも大切です。
【必要性】エコキュートのお手入れを行う3つの理由
エコキュートのお手入れを行う3つの理由を紹介します。
お手入れを行う3つの理由
- 安全のため
- 効率を維持するため
- 寿命を延ばすため
安全のため
エコキュートは高圧の水と高温の空気を使ってお湯を作るため、高圧ガスや水漏れの危険が挙げられます。
この場合、点検やメンテナンスで力や温度の異常、配管やタンクの劣化、異音や異臭などをチェックします。もし問題が見つかった場合は、早期に修理や交換を行うことで、事故や故障を防ぐことができます。
効率を維持するため
エコキュートは空気中の熱を利用してお湯を沸かしますが、その熱交換器にはホコリや花粉などが付着することがあります。これらの汚れは熱交換効率を低下させるだけでなく、電気代やCO2排出量を増やす原因にもなります。
定期的に清掃や洗浄を行うことで、エコキュートの効率を維持できます。清掃や洗浄では、熱交換器やファンなどの外部部品に付着した汚れを取り除くのが基本です。
また、水垢や錆などの内部部品に付着した汚れも取り除くことができます。
寿命を延ばすため
エコキュートは長期間使用できる製品ですが、それでも劣化は避けられません。特にタンクは水質や使用頻度によって劣化しやすい部分です。
タンクが劣化すると、水漏れや断水、水質悪化などのトラブルにつながります。定期的に消毒や薬剤投入を行うことで、エコキュートの寿命を延ばすことができます。
消毒や薬剤投入では、タンク内の細菌やカビなどの有害物質を除去も必要です。また、タンク内の金属部品に保護膜を形成することで、錆びや腐食を防ぎます。
【頻度】エコキュートのお手入れタイミング
一般的には、エコキュートのお手入れは年に1回程度が目安です。しかし、使用状況や水質によっては、もっと頻繁に必要な場合もあります。
たとえば、以下のような場合は、お手入れのタイミングを早めることをおすすめします。
お手入れのタイミング
- エコキュートの稼働音が大きくなった
- 給湯量や温度が低下した
- 水漏れや異臭が発生した
- 硬水や鉄分の多い水道水を使用している
これらの場合は、エコキュートの内部に汚れやカルキが溜まっている可能性も高く、故障の原因になります。そのため、早めに専門業者に点検や清掃を依頼することが大切です。
エコキュートのお手入れは、自分で行うこともできますが、電気や水道の知識が必要であり、危険も伴います。また、メーカーや型番によってもお手入れの方法や注意点が異なります。可能な限り、専門業者に依頼しましょう。
エコキュートの基本的なお手入れ方法
エコキュートのお手入れには、定期的に自分で行うべきものと、専門業者によるものがあります。ここでは、それぞれのお手入れ方法について説明します。
基本的なお手入れ方法
- 定期的に自分で行うお手入れ
- 専門業者によるお手入れ
定期的に自分で行うべきお手入れ
エコキュートのお手入れで自分で行うべきものは、主にカルキ抜きとフィルターの掃除です。外観の清掃は、エコキュートのタンクやフィルターに付着したほこりや汚れを拭き取ることです。
これは、エコキュートの冷却効率を低下させたり、故障の原因になったりするのを防ぐために重要です。外観の清掃は、半年に一度程度行うことをおすすめします。
清掃する際には、電源を切ってから行い、水や洗剤を使わずに柔らかい布で拭くことがポイントです。
フィルターの掃除は、吸水口にあるフィルターを定期的に洗うだけで問題ありません。フィルターは、水中のカルキなどを除去してエコキュートに送る役割を果たしますが、長く使っていると目詰まりすることがあります。
季節や使用状況によって異なりますが、目安としては3か月から6か月に一度程度行うことが必要です。
専門業者によるお手入れ
エコキュートのお手入れで専門業者によるものは、主に内部部品の点検や清掃です。内部部品の点検や清掃は、エコキュートの性能や安全性を確保するために必要な作業ですが、自分で行えません。
専門業者によるお手入れは、エコキュートのメーカーや販売店などから提供されるアフターサービスを利用することが一般的です。専門業者によるお手入れは、年に一度程度行うことがおすすめです。
お手入れする際には、予約や見積もりを取ることがポイントです。自分で行うべきお手入れと専門業者によるお手入れをバランスよく行うことで、エコキュートの性能や安全性を高めましょう。
エコキュートの洗浄料金の相場
タンク内の水垢や汚れを除去する洗浄は、エコキュートの性能を維持するために重要です。
エコキュートの洗浄は、専門業者に依頼するのが一般的です。洗浄料金は、エコキュートのメーカーや機種、容量、設置場所、汚れの状態などによって異なりますが、平均的には4万円から5万円程度と言われています。
ただし、これはあくまで目安であり、実際の料金は見積もりを取る必要があります。エコキュートの洗浄は、メーカーの推奨する周期に従って行うことが望ましいです。一般的には、3年から5年に1回程度とされていますが、使用頻度や水質によっても異なります。
専門知識や技術が必要な作業で自分で行うことはおすすめできませんので、信頼できる業者に依頼し、適性な料金で安全に洗浄してもらいましょう。
エコキュートのお手入れ料金に影響を与える要素
エコキュートのお手入れ料金は、洗浄だけでなく、点検や修理なども含めて考える必要があります。エコキュートのお手入れ料金に影響を与える要素としては、以下のようなものが挙げられます。
項目 | 内容 |
---|---|
メーカーや機種 | 部品や工賃の価格、保証期間、アフターサービス内容が異なる |
容量 | 容量が大きいほどお手入れ料金が高くなる傾向がある |
設置場所 | 設置場所が不便なほどお手入れ料金が高くなる可能性がある |
汚れの状態 | 汚れがひどいほど洗浄にかかる時間や材料が多くなる |
業者選び | 料金が異なるため、信頼できる業者を選ぶことが大切 |
エコキュートのお手入れ料金はさまざまな要素によって変動します。エコキュートを長く快適に使うためには、定期的なお手入れを怠らず、適性な料金で依頼することが必要です。
エコキュートの寿命を伸ばす3つの点検
エコキュートの点検で特に注意すべき3つのポイントについて紹介します。
寿命を伸ばす3つの点検
- 逃し弁
- 漏電遮断機
- 配管
逃し弁
逃し弁とは、エコキュート内の水圧が高すぎるときに水を逃して圧力を下げる安全装置です。逃し弁が正常に動作しないと、水圧が上昇し続けて水漏れの原因になる恐れがあります。
逃し弁の点検方法は以下のとおりです。
確認事項 | 対処方法 |
---|---|
逃し弁のレバーがきちんと動くかを確認する。 | レバーが固着していたり、動かなかったりする場合は、専門業者に修理を依頼する。 |
レバーを動かした時に排水口から水が出ることを確認する。 | 水が出ない場合は、逃し弁が固着している可能性があるため、専門業者に連絡する。 |
操作窓を閉じた時に排水口からの流水が止まるかどうかを確認する。 | 流水が止まらない場合は、逃し弁が正しく閉じていない可能性があるため、専門業者に相談する |
漏電遮断機
漏電遮断機とは、エコキュートの電気回路に異常が発生したときに自動的に電源を遮断する装置です。漏電遮断機が正常に作動しないと、感電や火災の危険性があります。
漏電遮断機の点検方法は以下のとおりです。
手順 | 内容 |
---|---|
1 | 漏電遮断機のテストボタンを押す。電源が切れたことを確認する。 |
2 | 漏電遮断機のリセットボタンを押す。漏電遮断機が元に戻って電源が復旧することを確認する。 |
3 | 点検終了。テストボタンやリセットボタンが反応しない場合は、専門業者に修理を依頼する。 |
配管
配管とは、エコキュートからお湯を送るための管です。配管に問題があると、お湯の供給量や温度に影響が出たり、水漏れや凍結などのトラブルが起こったりします。
配管の点検方法は以下のとおりです。
配管の点検方法
- 配管に水漏れがないか
- 保温材が破損していないか
保温材は配管を冷気や直射日光から守る役割を果たします。保温材が破損していると、配管内のお湯の温度低下や凍結などのリスクが高まります。
保温材の破損箇所があれば、新しい保温材で補修しましょう。
【補足】浴槽フィルターのお手入れも大切
浴槽フィルターは水垢が溜まりやすく、目詰まりを起こすとエコキュートの故障の原因になります。浴槽フィルターとは、エコキュートから出てきたお湯が浴槽に出入りするときに通る部品で、水垢や髪の毛などの不純物を取り除く役割を果たしています。
浴槽フィルターは浴槽の内側に付いていることが多く、取扱説明書に従って取り外すことができます。
浴槽フィルターのお手入れ方法は以下のとおりです。
浴槽フィルターのお手入れ方法
- 取扱説明書にしたがって浴槽フィルターを取り外す
- フィルター全体を水洗いして水垢を落とす※水垢がひどい場合は洗浄剤を使う
- 歯ブラシなどで網目についている細かい汚れを除去する
- フィルターを元の位置に戻す
このお手入れは週に1回程度行うことが望ましいです。また、定期的に風呂配管や貯湯タンクの水抜きも行うことで、エコキュート全体の清潔さを保つことができます。
エコキュートは浴槽フィルターのお手入れも大切です。水垢や不純物が溜まるとエコキュートの故障や効率低下につながる可能性があります。週に1回程度の水洗いと歯ブラシでの掃除で、快適なお風呂ライフを楽しみましょう。
できれば配管も掃除しよう
浴槽フィルターは、お風呂の水をきれいに保つために重要な役割を果たしています。しかし、フィルターだけではなく、配管も定期的に掃除することがおすすめです。
配管の中にはカビや汚れが溜まっている可能性があり、それが原因でお風呂の水が汚れたり、臭いが発生したりすることがあるからです。
配管の掃除方法は、市販の配管洗浄剤を使うのが簡単です。配管洗浄剤は、液体や粉末のタイプがありますが、どちらも使用方法は同じです。
配管の掃除方法
- お風呂の栓をします。
- 配管洗浄剤を指定の量だけ水に入れてよくかき混ぜます。
- 栓を抜いて水と一緒に配管に流します。
- 水道水で十分にすすぎます。
※配管洗浄剤の使用方法は、必ず添付の説明書に従ってください。
配管洗浄剤は、月に一度程度の使用が目安です。また、配管洗浄剤は強力な薬品なので、取り扱いには十分注意してください。目や皮膚に触れないようにし、子供やペットの手の届かない場所に保管しましょう。
エコキュートのお手入れに関するFAQ
ここでは、エコキュートのお手入れに関するよくある質問と回答を紹介します。
- エコキュートのお手入れは必要ですか?
- エコキュートをお手入れしないとどうなる?
- エコキュートの洗浄料金はいくらですか?
- エコキュートの水抜きのやり方は?
エコキュートのお手入れは必要ですか?
エコキュートのお手入れは、定期的に行うことが望ましいです。エコキュートは、空気中の熱を吸収するために、外気を取り込むファンや熱交換器があります。
これらの部品は、ほこりや花粉などの汚れや錆びによって劣化したり、故障したりする可能性があります。また、エコキュートは、高温で水を加熱するために、水道水中のカルキやカルシウムなどの成分が付着したり、沈殿したりすることがあります。
これらの汚れは、給湯量や温度の低下や異音などのトラブルの原因になったり、給湯器の寿命を縮めたりすることがあります。そのため、エコキュートのお手入れは、機器の性能や安全性を保つために重要です。
エコキュートをお手入れしないとどうなる?
エコキュートをお手入れしないと、以下のような問題が発生する可能性があります。
お手入れしないとどうなる?
- 給湯量や温度が低下する
- 異音がする
- 異臭がする
- 水漏れする
- 故障する
- 発火する
これらの問題は、給湯器の性能や安全性に影響するだけでなく、快適な生活にも支障をきたすことがあります。また、給湯器の修理や交換には高額な費用がかかることもあります。
そのため、エコキュートをお手入れしないという選択は、結果的に不経済で危険な選択になる可能性があります。
エコキュートの洗浄料金はいくらですか?
エコキュートの洗浄料金は、メーカーや業者によって異なりますが、一般的には1万円から3万円程度です。洗浄料金には、洗浄剤や消耗品の費用や作業時間の費用が含まれます。
洗浄料金は、エコキュートの種類や容量、設置場所や汚れ具合などによって変わります。また、洗浄時にエコキュートの点検や修理が必要な場合は、別途料金がかかる場合もあるでしょう。そのため、洗浄料金は事前に見積もりを取ることをおすすめします。
エコキュートの水抜きのやり方は?
エコキュートの水抜きは、冬季に凍結防止のためや、長期間使用しない場合に行う必要があります。水抜きのやり方は、メーカーや機種によって異なりますが、一般的には以下の手順で行います。
水抜きのやり方
- エコキュートの電源を切ります。
- 給湯器内部の圧力を下げるために、蛇口を開けてお湯を出します。
- 給湯器内部の水を抜くために、排水栓を開けます。
- 給湯器内部の水が完全に抜けるまで待ちます。
- 排水栓を閉めます。
- 蛇口を閉めます。
水抜きを行った後は、再び使用する前に水を入れておく必要があります。水を入れるときは、以下の手順で行います。
水を入れるときの手順
- 蛇口を開けて空気を抜きます。
- 排水栓を開けて水を入れます。
- 給湯器内部の水位が上がるまで待ちます。
- 排水栓を閉めます。
- 蛇口を閉めます。
- エコキュートの電源を入れます。
エコキュートの水抜きや水入れは、メーカーの取扱説明書や業者に確認してから行ってください。また、作業中は火気や電気などに注意してください。
まとめ
この記事では、エコキュートのお手入れについて以下の内容を解説しました。
エコキュートのお手入れまとめ
- エコキュートを掃除しないとどうなるか
- エコキュートのお手入れの必要性
- エコキュートのお手入れタイミング
- エコキュートの基本的なお手入れ方法
エコキュートを長く使いたい、性能を維持したい、故障させたくないという方にとって、定期的なお手入れは欠かせません。適切なお手入れは、その性能を維持し、寿命を延ばすために重要です。この記事で紹介したお手入れ方法を覚え、正しいお手入れを行うことで、エコキュートを長持ちさせましょう。