エコキュートは快適なお風呂や給湯を提供するために欠かせない家電ですが、ときにはエラーコードが表示されることがあります。このエラーコードは故障のサインであり、適切な対処をしなければなりません。
しかし、エラーコードの意味や解決方法を知らないと、何から手をつけたら良いのか困ったり、大きな出費への不安を抱えたりするものです。
そこで、この記事ではエコキュートのエラーコードについて詳しく解説します。ぜひ、本記事を参考にして、エコキュートのトラブルに備えてください。
エコキュートのエラーコードはいつ出る?
エコキュートのエラーコードは、エコキュートが正常に動作していないことを知らせてくれるものです。基本的には、故障が発生した場合に出てきます。また、凍結を知らせることもあり、意外に身近な存在です。
なお、エコキュートのエラーコードは、エコキュート本体やリモコンに表示される数字やアルファベットの組み合わせです。たとえば、「F1」「E3」などで表示され、現在の状態を知らせるなどです。
また、エラーコードには、故障を伝えてくれるものもあれば、誤作動程度のアラートの役割を果たしているものもあります。
エコキュートのエラーコード=故障ではない
エコキュートのエラーコードは、必ずしも故障を意味するものではありません。エコキュートは、さまざまなセンサーで自己診断を行っており、異常が検知されたときにエラーコードを表示します。
たとえば、電源が切れたり、ブレーカーが落ちたりした場合には、電源復旧後にエラーコードが表示されることがあります。これは、電源が切れたことを知らせるためのもので、故障ではありません。
また、冬場に気温が低くなったときには、凍結防止機能が作動してエラーコードが表示されることがあります。これも、凍結防止機能が正常に働いていることを知らせるためのもので、故障ではありません。
つまり、その異常が本当に故障なのか、それとも一時的な誤作動や外的要因によるものなのかは、エラーコードだけでは判断できないものだということです。
エコキュートで故障のエラーコードが出たらどうする?
エコキュートで故障のエラーコードが出た場合は、まず落ち着いて対応方法を調べましょう。エコキュートには、取扱説明書やリモコンにエラーコードの一覧表や対処方法が記載されています。
また、メーカーのホームページやカスタマーセンターでも情報を提供しています。エラーコードによっては、自分で簡単にリセットや再起動を行えば解消するものもあるでしょう。
しかし、どうしても解決しない場合や、水漏れや異音など明らかな故障の兆候がある場合は、無理に操作せずにすぐに専門業者またはメーカーに連絡しましょう。
専門スタッフがご自宅に訪問し、点検や修理を行ってくれます。また、定期的なメンテナンスや点検も必要になるため、いつでも連絡できる依頼先を見つけておくことが大切です。エコキュートは長期間使用するものですから、予防的な対策でトラブルを未然に防ぎましょう。
エコキュートで発生する故障を意味するエラーコードの例
エコキュートで発生する故障のエラーコードの例は、下記が挙げられます。
故障に関するエラーコード
- 給湯器能
- 追焚・湯はり機能
- 沸き上げ・貯湯量表示
- リモコン
- 漏水
- 電気・電源
給湯機能
給湯器能に関するエラーコードは、エコキュートの各種部品が故障していることを示します。たとえば、ヒートポンプユニットや三方弁、圧力スイッチなどが正常に動作しないと、給湯温度や圧力が不安定になったり、給湯できなくなったりします。この場合は、専門家による修理交換が必要です。
追焚・湯はり機能
追焚・湯はり機能に関するエラーコードは、エコキュートの追加加熱や貯湯タンクの水位制御ができないことを示します。たとえば、三方弁やヒートポンプユニットが故障すると、追焚や湯はりができなくなったり、水位が低下したりします。この場合も、専門家による修理交換が必要です。
沸き上げ・貯湯量表示
沸き上げ・貯湯量表示に関するエラーコードは、エコキュートの沸き上げ機能や貯湯量の表示が正確でないことを示します。たとえば、本体内部のセンサーやリモコン、コンプレッサーなどが故障すると、沸き上げ温度や貯湯量が正しく表示されなかったり、沸き上げできなかったりします。この場合も、専門家による修理交換が必要です。
リモコン
リモコンに関するエラーコードは、エコキュートの操作や設定ができないことを示します。たとえば、リモコン(浴室、台所)が故障すると、エコキュートの電源や設定温度、タイマーなどが操作できなくなったり、表示が消えたりします。この場合も、専門家による修理交換が必要です。
漏水
漏水に関するエラーコードは、エコキュートの水漏れや凍結を示します。たとえば、ドレンや配管が詰まったり破損したりすると、水漏れや凍結が発生したりします。この場合は、ドレンの掃除や各種部品の修理交換が必要です。
電気・電源
電気・電源に関するエラーコードは、エコキュートの電気回路や電源供給に問題があることを示します。たとえば、プリント板(基板)部品や漏電遮断器、ヒートポンプユニットなどが故障すると、エコキュートの動作や保護機能が正常に働かなかなくなります。この場合も、専門家による修理交換が必要です。
エラーコードが表示されたら、まずはメーカーの取扱説明書やサポートセンターに確認し、必要に応じて専門家に依頼しましょう。
エコキュートのエラーコード一覧
メーカーごとのエコキュートにおける、エラーコードの一覧は下記のとおりです。
メーカー | エラーコード | 説明 |
---|---|---|
三菱 | c03・c20・c21・c26 | わき上げが正常にできない |
三菱 | p00・p01 | 湯はりが正常にできない |
三菱 | p60 | わき上げが正常にできない |
三菱 | h10 | ヒートポンプユニットと貯湯ユニット間の通信異常 |
パナソニック | F12 | 冷媒圧力異常 |
パナソニック | F15 | ファンモーター異常 |
パナソニック | F24 | ヒートポンプユニット異常 |
パナソニック | H54 | 三方弁異常 |
パナソニック | H76 | リモコン通信異常 |
パナソニック | H78 | ふろポンプ異常 |
ダイキン | h3・h54 | ヒートポンプユニット異常 |
ダイキン | fa | ヒートポンプユニット異常 |
ダイキン | u4 | ファンモーター異常 |
ダイキン | u7 | 通信異常 |
日立 | 233 | ふろ循環異常 |
日立 | 31 | 冷媒圧力異常 |
日立 | 631 | 混合サーミスタ異常 |
東芝 | E:HL | 湯量不足 |
東芝 | e18 | ヒートポンプユニットと貯湯ユニット間の通信異常 |
東芝 | h2 | 水位センサー異常 |
東芝 | U:20 | 風呂循環異常 |
長府 | e65 | 給湯混合弁異常 |
長府 | j3 | ヒートポンプユニット異常 |
長府 | h3・h30 | ヒートポンプユニット異常 |
長府 | f03・f56 | 冷媒漏れ |
長府 | u4 | 制御基板通信異常 |
サンデン | F56 | お湯はり異常 |
サンデン | e01 | ふろ給湯低温異常 |
サンデン | e7 | 室外ファンロック |
エコキュートでエラーコードが出た際の故障事例
エコキュートでエラーコードが出た際の故障事例を、下記の2つにわけて解説します。
故障事例
- エラーコードFA(ダイキン・長府・東芝)
- エラーコードH54(ダイキン・長府・パナソニック)
エラーコードFA(ダイキン・長府・東芝)
エラーコードFAは、エコキュートのヒートポンプやサーミスタ、制御基板に起こった何らかの異常を検知していることを示しています。
ヒートポンプは空気中の熱を吸収して水を温める装置で、サーミタスはヒートポンプと貯水タンクをつなぐ配管です。制御基板はエコキュートの動作を管理する電子部品です。
これらの部分に異常があると、エコキュートの性能が低下したり、停止したりする可能性があります。
対処法としては、下記のようなものがあります。
対処法
- ヒートポンプの圧縮機やファンモーターは交換する必要がある
- サーミタスに空気や水漏れがある場合は、排気弁や水栓を開閉して空気抜きを行う
- 制御基板にショートや焼損がある場合は、修理や交換を専門業者に依頼する
エラーコードH54(ダイキン・長府・パナソニック)
エラーコードH54は、エコキュートの三方弁や貯水タンクで何らかの異常を検知していることを示しています。三方弁はヒートポンプと貯水タンクの間で水の流れを制御する弁で、貯水タンクは水を蓄えておく容器です。
これらの部分に異常があると、エコキュートの給湯量や温度が不安定になったり、停止したりする可能性があります。
対処法としては、下記のようなものがあります。
対処法
- 三方弁のモーターは交換する必要がある
- 貯水タンクに過熱や過冷却が起こっている場合は、温度設定を調整する
- 貯水タンクに錆や汚れが溜まっている場合は、洗浄や交換を専門業者に依頼する
エコキュートのエラー解除・リセット方法
エコキュートのエラー解除・リセット方法は、機種によって異なりますが、一般的には下記の手順で行います。
リセット方法
- エコキュートの電源を切ります。
- エコキュートの本体にあるリセットボタンを押します。リセットボタンは、機種によって場所や形が異なりますが、通常は本体の下部や側面にあります。リセットボタンを押すと、エラーコードが消えて正常に戻る場合があります。
- リセットボタンを押してもエラーコードが消えない場合は、エコキュートの電源を再度入れます。電源を入れると、自動的に診断機能が働いてエラーの原因を判定します。診断結果によっては、再度リセットボタンを押す必要もあります。
- それでもエラーコードが消えない場合は、メーカーのサポートセンターに連絡してください。エラーコードによっては、専門家の修理が必要な場合もあります。
エコキュートのエラー解除・リセット方法は、簡単な操作でできることが多いです。
しかし、無理に操作したり、分からないことがあれば専門業者やメーカーに相談したりすることも大切です。エコキュートは高圧・高温の水を扱う機器なので、安全に注意してください。
エラーコード表示に従い対処する
エラーが発生した場合は、まずエコキュートの液晶画面に表示されるエラーコードを確認しましょう。エラーコードによっては、自分で簡単に解除・リセットできるものもあります。
エコキュートの液晶画面に表示されるエラーコードは、大きくわけて2種類あります。ひとつは「E」から始まるもので、これは自分で対処できることが多いものです。もうひとつは「F」から始まるもので、これは専門家に依頼しなければならないものです。
「E」から始まるエラーコードの場合は、液晶画面に表示される対処方法に従って操作してみましょう。対応する対処法を試したあと、液晶画面などの「リセット」ボタンを押すと、エラーが解除されます。
「F」から始まるエラーコードの場合は、給湯器の内部に異常が発生していることを示しています。自分で操作しても解決できない場合がほとんどです。専門家に点検・修理を依頼する必要があります。
エコキュートのエラー解除・リセット方法は、エラーコード表示に従って対処することが基本です。自分でできることはやってみましょうが、無理をせずに専門家に相談することも大切です。
エコキュートの故障とエラーコードに関するFAQ
最後に、エコキュートの故障とエラーコードに関するFAQを紹介します。
エコキュートの故障に
- エコキュートのエラーコードが消えた原因は?
- エコキュートのエラーコードE24はどういう意味ですか?
- エコキュートのエラーコードF41はどういう意味ですか?
- エコキュートのエラーコードF46はどういう意味ですか?
- エコキュートが故障する前兆は?
- エコキュートのお湯が出ないエラーなしの原因は?
- エコキュートのエラーをリセットするにはどうすればいいですか?
エコキュートのエラーコードが消えた原因は?
エコキュートのエラーコードが消えた原因は、さまざまな可能性があります。
たとえば、配管凍結や給水配管専用止水栓が閉じていることで、水圧が低下したり、水流が止まったりした場合です。このような場合は、凍結や止水栓の解除を行ってください。
また、電源が一時的に落ちたり、漏電しゃ断器が作動したりした場合も、エラーコードが消えることがあります。このような場合は、電源を確認してください。
ただし、これらの原因以外にも、機器自体の不具合や故障の可能性もあります。その場合は、専門業者やメーカーに連絡して修理を依頼してください。
エコキュートのエラーコードE24はどういう意味ですか?
エコキュートのエラーコードE24は、貯湯ユニット内部のセンサー部品不具合によるエラー表示です。貯湯ユニットは、お湯の温度や圧力などをセンサーで検知して制御しています。
しかし、センサー部品に異常が発生した場合は、正確な測定や制御ができなくなります。その結果、エラーコードE24が表示されます。
エコキュートのエラーコードF41はどういう意味ですか?
エコキュートのエラーコードF41は、PFC内部で電源電圧降下や過電流、温度上昇などの異常を検知した場合や、吸入管サーミスターが何らかの原因で断線していたり、ショートしたりした場合に発生するエラーです。
これらの部分に異常が発生すると、ヒートポンプユニットの動作が停止します。その結果、エラーコードF41が表示されます。
エコキュートのエラーコードF46はどういう意味ですか?
エコキュートのエラーコードF46は、CT(電流変換器)の異常を示しています。しかし、CTが断線している場合は、電流を測定できません。その結果、エラーコードF46が表示されます。
エコキュートが故障する前兆は?
エコキュートが故障する前兆としては、下記のような症状が考えられます。
故障する前兆に見られる異常
- 異常な音や振動がする
- 効率が低下し、電気代が高くなる
- お湯の温度や量が不安定になる
- エラー出てないのに、お湯が出ない
これらの症状が発生した場合は、エコキュートの故障の可能性があります。
エコキュートのお湯が出ないエラーなしの原因は?
エコキュートのお湯が出ない原因としては、下記のような可能性があります。
お湯が出ない原因
- 給湯器自体の故障
- ガス供給の問題
- 水道水供給の問題
しかし、これらの原因を特定するには、詳細な情報が必要です。たとえば、他の水栓からお湯が出るかどうか、ガスメーターに異常がないかどうか、水道管に凍結や漏水がないかどうかなどです。
エコキュートのエラーをリセットするにはどうすればいいですか?
エコキュートのエラーをリセットする方法としては、下記の手順を実行してください。
リセット手順
- エコキュートの貯湯タンク正面に付いている漏電遮断器を「切」にします。
- 30秒ほど待ってから、漏電遮断器を「入」にします。
- リモコンや操作パネルでエラーコードが消えたことを確認します。
これでエラーがリセットされます。ただし、これは一時的な対処方法であり、根本的な原因や故障が解決されたわけではありません。そのため、専門業者やメーカーに連絡して点検や修理を依頼することをおすすめします。
まとめ
エコキュートが故障した場合やエラーコードが表示された場合は、メーカーの取扱説明書やサポートセンターに確認し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。エラーコードによっては、自分で解除・リセットできる場合もありますが、高圧・高温の水を扱う機器なので、安全に注意してください。
エコキュートの正常な動作を維持するためには、定期的な点検とメンテナンスが重要です。また、適切な使い方と安全な取り扱いも必要です。エコキュートの性能を最大限に引き出し、長く安心して使用するために、修理は専門業者に依頼しましょう。