
「電気温水器は30年も使える」「エコキュートより長持ちする」そのような話を耳にしたことはありませんか?
電気温水器の一般的な寿命は13〜15年程度、構造もシンプルで壊れにくいと言われています。もし本当に30年も使えるのなら、初期費用は高くても、エコキュートよりもコスパが良いかもと考えるのは自然なことです。
ただ、いつまでもそのまま使い続けられるとは限りません。突然、故障するリスクは常にあり、実は気づかないうちに前兆が出ていることもあります。
そこで本記事では、電気温水器の実際の寿命や、長寿命と言われる理由、そして5つの故障の前兆を詳しく解説します。特に、15年以上使用している電気温水器をお持ちの方は、買い替え時期の判断材料として、ぜひ最後までご一読ください。

実際に20~25年使えた電気温水器は実在する

電気温水器の一般的な寿命は13〜15年と言われていますが、20年、30年と長期間使用できている事例が確かに存在します。
実際に30年弱使用してきた電気温水器の交換工事の記録も他方で残されていることから、これからも動き続けると考える方も多いはずです。
とはいえ、30年弱使用できているからといって、新品の電気温水器も同じように30年持つとは限りません。むしろ、そこまで長期間使用できたケースは例外的と考えるべきでしょう。
では、なぜ長寿命だと言われるのでしょうか。
電気温水器が長寿命と言われる理由は?
電気温水器が長寿命と言われる理由は、電熱ヒーターでお湯を沸かし、タンクに貯めておくだけという驚くほどシンプルな構造にあります。家庭用の電気ポットを大きくしたようなイメージをしていただくとわかりやすいです。
エコキュートには圧縮機やポンプなど複数の動く部品が存在しますが、電気温水器にはそういった複雑な機構がほとんどありません。つまり、壊れる可能性のある部品が少ないということです。
部品の数が減ることにより、故障の回数やリスクも同時に下がることで、長く使い続けられるケースは自然に増えます。そのため、電気温水器の長寿命の秘密は、シンプルな構造だからこそ生まれていると言えるのです。
耐用年数は?一般的な電気温水器の寿命は13~15年
電気温水器の寿命は、一般的に13〜15年程度と言われています。ただし、使用環境や使用頻度によって変動することから、あくまでも目安の数字です。
丁寧に使用し、定期的なメンテナンスを行えば寿命以上に使用できたという事例も珍しくありません。
ただ、長期間使うと内部にスケール(水垢)が蓄積し、熱効率の低下から電気代が上昇するといったリスクも徐々に増えてきます。そのため、13〜15年を目安に買い替えの検討をするとよいでしょう。

寿命のサインが出た場合は買い替えを検討した方が吉

電気温水器を20年、30年と使い続けてこられた方にとって、「まだ使えているのだから」と買い替えに踏み切れない気持ちはよく分かります。しかし、長年使用している電気温水器が故障した場合、修理で対応できないケースが少なくありません。
理由は、パーツの供給終了です。多くのメーカーは製造から10年程度(筆者の経験では13年くらい)でパーツの供給を終了してしまうため、20年以上前の電気温水器の場合、必要な部品を入手できないケースが極めて高くなります。
そのため、寿命のサインが出てきた場合は、思い切って買い替えの検討をおすすめします(前兆は後述)。
多くの場合、買い替え先としてエコキュートがおすすめです。エコキュートは空気の熱を利用してお湯を沸かすため、電気温水器と比べて光熱費を抑えられます。
※以下の記事へのリンク予定です。
- 電気温水器 買い替え 値段
- 電気温水器 交換
- 電気温水器 修理
20年、30年前の電気温水器を使い続けるメリットとは?
結論から言えば、20年、30年前の電気温水器を使い続けることにさほどメリットはありません。
確かに、電気温水器の基本的な仕組みは、電熱線でタンク内の水を温めるというシンプルなものです。そのため、この20〜30年の間で、お湯を沸かす際の熱効率自体は大きく変わっていないと考えられます。
つまり、古い電気温水器だからといって、極端に電気代が高くなっているわけではないです。しかし、逆に言えば、新しい電気温水器に買い替えても、電気代は大して変わらないということでもあります。
エコキュートと比較すると?
エコキュートは空気の熱を利用してお湯を沸かすヒートポンプ式給湯器で、電気温水器と比べて約3分の1の電気代でお湯を作ることができます。ランニングコストの差は、年間で数万円にもおよびます。
買い替えを検討する際は、初期費用を払えない、設置場所を確保できないなどの特殊な事情を除き、あえて電気温水器を選ぶ必要性は低いと言えます。初期費用は確かにエコキュートの方が高めですが、光熱費の削減額を考えれば、数年で元が取れるでしょう。
ただ、壊れていない電気温水器を無理に変える必要もありません。次では、壊れる前兆でよくある症状も紹介するため、買い替えの判断をする参考にしてください。
寿命のサインは?電気温水器が壊れる前兆5選
電気温水器が壊れる前兆としては、主に以下が挙げられます。
電気温水器が壊れる前兆
- 頻繁にエラーが出る
- 湯量が安定しない
- お湯や水が出なくなる
- 水漏れしている
- お湯に異物が混ざる
頻繁にエラーが出る
電気温水器の寿命が近づくと、頻繁にエラーコードが表示されます。特に注意が必要なのは、同じエラーコードが繰り返し表示される場合です。
一時的な不具合であれば、リセット操作で解消されるはずですが、寿命が近づくと対処しても再びエラーが表示されます。このような状態が続く場合、内部の電気系統や制御部品の劣化が進行していると考えて、早めの買い替えを検討しましょう。
湯量が安定しない
電気温水器を長く使用していると、突然お湯の出が悪くなったり、途切れたりする症状が出はじめます。長年の使用によって内部のヒーター、また温度センサーの性能が低下している証拠です。
冬場は、お湯を沸かす能力の衰えが顕著になります。湯量が安定しない状態は、意外に使い続けていくときのストレスになってしまうため、気になってきているというのであれば買い替えの検討をはじめましょう。
お湯や水が出なくなる
蛇口をひねってもお湯が出ない、あるいは水さえも出なくなる状態は、電気温水器の深刻な故障です。主に、以下に挙げた複数の要因が重なって発生します。
電気温水器が故障する原因
- 内部の配管の詰まり
- バルブの故障
- 制御システムの不具合
30年近く使用している電気温水器では、このような症状が突然現れるため、日常的な点検と気づきが大切です。いつもは『工夫していたら使えた』ということがあれば、買い替えのタイミングと言えるでしょう。
水漏れしている
貯湯タンクや本体からの水漏れは、電気温水器の寿命を示すサインです。設置から13年以上経過した機器では、配管や内部の腐食や劣化により水漏れが発生しやすくなります。
一部は部品交換で対応できる場合もありますが、製造から10年〜13年以上経過すると特定の部品供給が終了していることも増え、修理自体が困難になります。水漏れは漏電の原因にもなるため、発見したら早急な対応が必要です。最悪の場合、細菌がタンク内に混入し繁殖する可能性もあります。配管に緑青やカルキが付着していたら危険サインです。
お湯に異物が混ざる
お湯に赤茶けた水や白い浮遊物が混ざりはじめたら、貯湯タンクや配管内の劣化が進行している証拠です。内部の金属部分が腐食して錆びを引き起こしていたり、長年の使用で付着したスケール(水垢)が剥がれ落ちたりするなどで起こります。
日常的な使用に問題はないものの、衛生面での問題を引き起こしかねません。不安に感じた場合は、できるだけ早い段階での買い替えをおすすめします。
まとめ:異常がある場合は気軽に相談を
電気温水器は確かに30年使えた事例もありますが、一般的な寿命は13〜15年程度であり、超えて使う場合は故障のリスクが高まります。
特に設置から15年以上が経過している場合、以下のような症状に注意が必要です。
注意すべき症状
- 頻繁なエラー表示
- 湯量の不安定さ
- 水漏れの発生
- お湯への異物混入
上記以外にも、少しでも気になる症状が出はじめたら、修理ではなく買い替えを検討するタイミングです。まだまだ使えそうなら買い替えの費用を貯蓄し、危険ならまず相談してチェックを受けておくと良いでしょう。
ユニテックでは、給湯器の交換工事で3,000件以上の実績があり、お客様の環境や条件に最適な対応をご提案いたします。まずは無料相談から。お気軽にご連絡ください!
