エコキュートのホースは、経年劣化や摩耗、低温・高温、汚れなどによって劣化や故障を起こしやすく、定期的なメンテナンスが必要です。しかし、DIYで交換することは危険を伴います。
定期的な点検やメンテナンスを行い、劣化が進んでいる場合は専門業者に依頼しましょう。
本記事では、エコキュートのホースについて解説します。また、ホースの種類や劣化の原因、交換手順についても触れるため、ぜひ参考にしてください。
エコキュートのホースは定期的な交換が必要
エコキュートのホースは、設置から10年前後で交換が必要とされています。これは、経年劣化によって保温材が縮まり、配管がむき出しになってしまうためです。特に冬場には、この配管の劣化によって凍結が起きることもあります。
また、ヒートポンプ配管は劣化しやすく、およそ3年の間隔で定期的なメンテナンスが必要です。使用状況や環境によっても異なるため、配管の劣化が見られた場合は早めに交換しましょう。
エコキュートのホース交換には専門知識と技術が必要であり、DIYでの交換は危険を伴うため、必ず専門業者に依頼することをおすすめします。
メーカー修理対象外になる
エコキュートの修理が必要になった場合、配管に関する問題においてはメーカー修理対象外になることが多くあります。本体は保証されていても、配管に関しては基本的にメーカー責任の範囲外となるためです。
このような問題を回避するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。配管の劣化が進行する前に、早めの点検や交換を行うことで大きなトラブルを未然に防げるでしょう。
エコキュートの配管は4種類
エコキュートのホースには、以下の4種類があります。
配管名 | 役割 | 特記事項 |
---|---|---|
ヒートポンプ配管 | エコキュートのヒートポンプと外部の熱交換器を接続するための配管 | 熱を移動させる役割を担い、エコキュートの効率的な運転に重要な役割を果たす。配管の中で最もトラブルが多い |
給水配管 | 冷水や温水をエコキュートに供給するための配管 | エコキュートに水を供給し、熱を抽出する際に使用される。 |
給湯配管 | エコキュートから得られた温水を使用箇所に供給するための配管 | 給湯設備や蛇口などへ温水を送る役割を果たす。 |
浴室の配管 | 浴室のシャワーやバスタブへの水供給を行うための配管 | 浴槽内のお湯を回収・温め直しなどで使う。フルオートタイプのエコキュートにのみ設置 |
それぞれの場所によって修理方法が異なり、故障の頻度にも違いがあります。なかでもヒートポンプ配管は、故障頻度の高い部分です。
配管に使われるパイプの種類
ホースの配管に使われるパイプの種類は、状況や対応業者によって異なりますが、以下のものが一般的に使われます。
配管の材質 | 特徴 |
---|---|
銅管 | 最高使用温度は95〜100℃で、紫外線に強い。漏水リスクが低いが溶接部が弱いので、そこから漏水の可能性はある |
架橋ポリエチレン管 | 塩素に強く腐食しない。重量が軽く取り回しも容易。高耐候性被覆により、紫外線に強く断熱性能の低下を抑制 |
アルミ三層管 | アルミニウムが挟まれており高い耐熱性を持つ。防錆効果があり劣化を防止。手で曲げやすく、曲げた状態を保持しやすい |
フッ素系樹脂ホース | 最高使用温度が100℃で、熱による膨張や収縮もほぼない。軽量かつ柔軟性があるため、取り回しも容易 |
これらは例であり、他にも豊富な種類から適切に施工されます。
エコキュートの配管に起こる劣化や故障の原因
エコキュートのホースに起きる劣化や故障の原因は、以下が挙げられます。
ホースに起きる劣化や故障の原因
- 経年劣化
- 摩耗による劣化
- 低温・高温による劣化
- 汚れによる故障
経年劣化
エコキュートのホースは、経年劣化によってひび割れや腐食が起こります。ただし、ホースの素材や構造によって、劣化の進み方や起こるトラブルが異なるのも特徴です。
たとえば、ポリエチレン製のホースは紫外線によって劣化しやすく、外部からのダメージを受けやすいという特徴があります。また、硬水や高温の水を使用すると、ホース内部の金属部品が腐食しやすくなることもあるでしょう。
ホースの劣化や故障は、水漏れや水圧低下などのトラブルを引き起こすことがあります。定期的な点検やメンテナンスを実施し、劣化が進んでいる場合は早めの交換が必要です。
摩耗による劣化
エコキュートのホースが摩耗によって劣化し、水漏れを起こすこともあります。ホースの使用頻度が高い場合、内部や外部はすり減ってしまい劣化が徐々に進行するためです。
また、高温多湿な場所や腐食性のある物質が多く存在する場所では、劣化が早く進行することもあるでしょう。
こうした環境下で水漏れが放置されると、建物の構造物に損傷を与える恐れもあります。また、水漏れによる水道料金の増加や、エコキュートの効率低下なども懸念されます。
低温・高温による劣化
エコキュートのホースが劣化や故障を起こす原因のひとつに、低温・高温による影響もあります。
条件 | 影響 |
高温 | ・ホースが軟化して変形しやすくなる ・材質が劣化し、縮んだり変形したりする可能性がある ・ホースが破裂する可能性がある |
低温 | ・ホースが硬くなって破裂する可能性がある ・柔軟性が低下し、劣化も進行する可能性がある |
低温・高温による影響が大きいため、適切な取り扱いが必要です。エコキュートのホースが劣化や故障を起こすと、水漏れや電気ショートなどのトラブルを起こすこともあるでしょう。
汚れによる故障
エコキュートのホースに起きる劣化や故障の原因のひとつに、ホース内部の汚れによって水の流れが悪くなることも挙げられます。水の流れが悪くなるとエコキュートの効率が下がり、電気代まで高くなってしまうリスクも考えられます。
また、汚れによってホースの表面が腐食し、劣化が進行することも考えられます。劣化が進行すると、ホースの強度が低下して破損する可能性はさらに高くなるでしょう。
エコキュートの配管の交換が必要な場合の兆候
エコキュートのホースに交換が必要な兆候には、以下のようなものがあります。
兆候 | 症状 | 交換の必要性 |
---|---|---|
ホースに凹みや傷がある | 特に車に轢かれたり、重いものが落ちたりすると、ホースに凹みや傷がつく | ダメージが大きい場合、ホース自体が破裂してしまう恐れがある |
ホースにひび割れがある | 長期間使用していると、ホースにひび割れが生じる | ひび割れが大きくなると、水漏れや断熱性の低下などの問題が生じる |
ホースの表面が変色している | ホース表面に黄ばみや変色が見られる場合、ホース内部の材質が劣化している | ホース内部にも問題が生じている可能性がある |
水漏れが発生している | ホース内部にひび割れが生じたり、接続部分のシールが劣化したりすると、水漏れが発生する | 水漏れが見られた場合は、水道代等が高くなったり、他の部品の破損を招く可能性がある |
配管周辺の湿気やカビの発生 | 水漏れや断熱性の低下が原因で、配管周辺に湿気やカビが発生する | ホースの交換だけでなく、配管周辺の修理も必要となる |
これらの兆候がある場合、専門家に依頼してエコキュートのホース交換を検討しましょう。
エコキュートの配管交換の手順
エコキュートのホース交換の手順は、以下のとおりです。
【エコキュートのホース交換手順】
ここにテキスト
- 電源を切る
- エコキュートの水を抜く
- 既存の配管を取り外す
- 新しい配管を設置する
- 水を入れる
- 配管の漏れを確認する
- 電源を入れる
- エコキュートの動作確認をする
- クリーニングを行う
- 作業の最終確認を行う
配管交換作業を行う前にメーカーが推奨する作業に必要な専門知識や道具をそろえ、安全かつ正確にエコキュートの配管交換作業を行います。
エコキュートのホース交換にかかる時間の目安
エコキュートのホース交換にかかる時間の目安は、作業時間で1〜3時間程度です。ただし、交換するホースの長さやエコキュートの設置場所によって異なります。
一般的には、ホースの長さが短い場合や、エコキュートが設置されている場所にアクセスしやすい場合は、作業時間が短くなります。逆に、ホースが長い場合やエコキュートの設置されている場所が狭い場合は、作業時間も長くなるでしょう。
また、交換するホースの種類によっても作業時間が異なるため、事前に確認しておくと安心です。
エコキュートの配管交換は自分でDIYできる?
エコキュートの配管交換は難易度が高く、専門的な道具が必要とされるためDIYには向いていません。また、修理中に感電や火災などの事故に遭う危険性があるため、専門業者に依頼することが望ましいです。
さらに、施工不良によって故障する可能性がありますし、故障や不具合に対する保証が効かなくなることで別のトラブルが起きたときに対処できなくなるでしょう。加えて、エコキュートの配管交換には資格が必要な場合もあるほどです。
どれだけ資格を保有していたとしても、安全性に配慮しつつ正しくメーカー保証等を受けるためにもDIYは避けたほうが良いでしょう。
エコキュートの配管交換にかかる費用の目安
エコキュートは、長年使用していると凍結や水漏れ、パーツの劣化による配管の破裂などの故障が発生することがあります。このような場合の配管交換にかかる費用は「約7〜8万円」です。
エコキュートを毎日使用する場合、部品の寿命は10年程度と言われています。
古くて部品を使用できないような故障の場合は修理費用を払うのではなく、交換のほうが費用を抑えられることもあるため、エコキュート自体を買い換えることも検討しましょう。
配管交換の保証
エコキュートのホース交換を行う際には、専門業者が提供する保証期間に注目することが大切です。場合によっては配管交換を無償で受けられるなど、適切に対応してもらえるでしょう。
ただし、保証期間中であっても、誤った使用方法による故障や、故障の原因が自然災害以外の場合は、交換費用が有料となることがあります。そのため、正しい使用方法を守り、定期的なメンテナンスを行うことが大切です。
また、保証設定のない業者が多々おりますので、業者選別に役に立つでしょう。
【補足】エコキュートの一般的な耐用年数は10年〜15年
一般的にエコキュートの耐用年数は、10年〜15年程度とされています。この期間を過ぎると、修理や交換をする必要が生じます。
特に、年数が経過したエコキュートは電気代が高くなり故障のリスクも高くなるため、早めの対応が必要です。また、エコキュートの耐用年数は、使用環境やメンテナンスの状況によっても変わってきます。
長期間使用することで、エコキュートの性能が低下することもあります。そのため、エコキュートの耐用年数については、定期的な点検やメンテナンスを行い、適切なタイミングで修理や交換をすることが重要です。
【関連記事】【初心者向け】エコキュートの交換方法を徹底解説!安全な取り替え方と費用は?
エコキュートの配管交換に関するQ&A
エコキュートのホース交換に関するQ&Aへまとめて回答します。
エコキュートの配管交換に関するQ&A
- エコキュートの配管で起きた水漏れの応急処置は?
- エコキュートの交換で残った配管は再利用できる?
- エコキュートの配管交換の料金は?
- エコキュートのパッキン交換の費用はいくらですか?
- エコキュートの配管の寿命は?
- エコキュートの修理の相場はいくらですか?
- エコキュートのメンテナンス代はいくらですか?
エコキュートの配管で起きた水漏れの応急処置は?
エコキュートの配管で水漏れが起きた場合、まずは電源を切り、ホースを締め付けることで漏れを止めることができます。ただし、応急処置であるため、早急に専門業者に修理を依頼することが必要です。
エコキュートの交換で残った配管は再利用できる?
エコキュートの交換で残った配管は、再利用できます。ただし、配管の状態や長さによっては、新しいエコキュートに合わせて加工する必要があります。
エコキュートのホース交換の料金は?
エコキュートの配管交換の料金は、業者によって異なりますが、おおよそ7万円〜8万円が相場です。ただし、交換するホースの長さや種類によって料金が変わることがあります。
エコキュートのパッキン交換の費用はいくらですか?
エコキュートのパッキン交換の費用は、業者によって異なりますが、おおよそ1万円が相場です。ただし、修理内容によって費用が変わることがあります。
エコキュートの配管の寿命は?
エコキュートの配管の寿命は、使用環境や水質によって異なりますが、おおよそ10年が目安とされています。定期的なメンテナンスや点検を行うことで、寿命を延ばすことができます。
エコキュートの修理の相場はいくらですか?
エコキュートの修理の相場は、交換する部品や修理内容によって異なります。一般的な修理であれば、4万円から5万円程度が相場となっています。
ただし、修理によっては、部品代や作業時間によって高額になる場合もあります。
エコキュートのメンテナンス代はいくらですか?
エコキュートのメンテナンス代は、業者によって異なります。一般的には、年に1回程度のメンテナンスを行うことが推奨されています。メンテナンス内容によっても異なりますが、一般的には2万円から3万円程度が相場となっています。
まとめ
エコキュートの配管交換は、10年〜15年程度の使用で劣化が進行するため、早めに対処する必要があります。約8万円程度の費用がかかりますが、水漏れや湿気、カビの発生などの問題を未然に防げるのがメリットです。
エコキュートのホース交換は、DIYではなく専門業者に依頼することが望ましいです。定期的な点検やメンテナンスを行い、早めの交換を検討しましょう。