
「いつもと違う音がする」「お湯の温度が安定しない」「水漏れしているかも?」など、給湯器やエコキュートに関する気になる症状はありませんか?こうしたとき、「故障かな?」と思ったときの判断基準を知っておくことで、無駄な出費を避け、適切なタイミングで修理や交換を検討できます。
本記事では、給湯器やエコキュートの調子が悪いと感じたときに、まずやるべきことや故障の前兆となる症状、故障した場合の対処法まで解説します。お急ぎの方でも判断できるようにしているため、まずは「やるべきこと」からチェックしてください。

給湯器やエコキュートの調子が悪いときにまずやるべきこと

給湯器やエコキュートの調子が悪いと感じたら、まずは冷静に状況を確認してください。パニックになって無理に操作すると、かえって状況を悪化させてしまいます。
調子が悪いと感じたときにまずやるべきことは以下の2つです。
調子が悪い時の対処法
- 不具合の原因を特定し故障の前兆ではないかを見極める
- 修理するまで対処する
不具合の原因を特定し故障の前兆ではないかを見極める
給湯器やエコキュートの調子が悪いと感じても、実際には故障ではないケースは意外と多いです。例えば、断水や凍結によってお湯が出ないこともありますし、季節の変わり目には結露が水漏れのように見えることもあります。
まずは、どのような症状が出ているのかを具体的に確認しましょう。以下は、調子が悪いエコキュート・給湯器によく見られる症状です。
調子が悪いエコキュート・給湯器に見られる症状
- お湯が出ない
- 温度が安定しない
- 異音がする
- 黒い煙が出ている
- 変な匂いがする
- 水漏れしている
また、取扱説明書やメーカーのWebサイトでは、発生している症状を故障の前兆として記載しているかもしれません。チェックして該当する場合は対処法を試し、紛失した・判断できない場合はメーカー、専門業者に依頼してください。
修理するまで対処する
故障の前兆と判断したら、修理業者に連絡する前に、応急処置として以下を試してください。
応急処理
- 水漏れが発生している場合:まず給水栓を閉じて水の供給を止める
- 水が電気系統に入る恐れがある場合:ブレーカーを落として電源を切っておく
- 凍結が原因と思われる場合:本体の電源を切っておく(凍結防止機能が動いていない場合のみ)
なお、無理に自己判断せず、いずれも難しい場合はそのままでも構いません。この場合は、できるだけ早く専門業者やメーカーのサポートセンターへの相談をおすすめします。
故障ではない?給湯器・エコキュートで見極めが必要な状態・症状
給湯器やエコキュートの調子が悪いと感じても、実際には正常な動作や一時的な状況である場合もあります。無駄な修理費用を避けるためにも、故障と正常な状態を見極めることが重要です。
ここでは、故障と間違えやすい正常な状態や症状を先に紹介します。
ブーンという音
給湯器やエコキュートは、正常な状態でも以下の稼働音がします。
稼働音の特徴
- 「ブーン」:ファンモーターの回転音、ヒートポンプユニットの作動音
- 「ウーン」:モーターの運転音、お湯を沸かすときや追い焚きの音
そのほかにも、凍結防止機能が働いているときや、自動湯はり機能が作動しているときにも、ポンプやモーターの音がします。また稼働音は、設置している場所によって大きく聞こえることもあります。ごく稀ですが、昆虫の巣がファンに付着しいている場合も・・・
白い煙(水蒸気)
寒い時期に給湯器やエコキュートを使うと、本体から排出する水蒸気が白い煙になって見えることがあります。温かい排気ガスに含まれる水蒸気が冷たい外気に触れて凝縮するためです。
通常、人間の息が白く見えるのと同じ原理であり、故障の心配はありません。気温が低い朝や夜には、この現象がより顕著に見られます。
断水・凍結
断水していたり、配管が凍結したりすると、給湯器やエコキュートに水を供給できないことで、お湯や水が出なくなります。給湯器やエコキュート自体の故障ではなく、水の供給が復旧すれば、これまで通り正常に使用できます。
断水の場合は、水道局からの情報を確認するか、近隣の住民に状況を尋ねてみましょう。断水が原因であれば、水道の復旧を待つしかありません。
一方、凍結の場合は、気温の上昇を待つか、凍結した配管をゆっくりと温めることで解消できることがあります。ただし、急激に温めると配管が破裂します。ドライヤーで徐々に温めるか、可能であれば自然解凍を待ってください。
前兆は?調子が悪い給湯器やエコキュートによくある6つの症状

調子が悪い給湯器やエコキュートによくある症状は、以下の6つです。
調子が悪い給湯器やエコキュートによくある症状
- お湯が出ない
- お湯の温度が安定しない
- 正常な稼働音ではない異音がする
- 黒い煙が出る
- 酸っぱい匂いがする
- 水漏れを起こしている
お湯が出ない
お湯が全く出ない、または出るまでに時間がかかるという症状は、給湯器やエコキュートの故障を示すよくあるサインです。原因としては、ヒートポンプの故障、貯湯タンク内の温度センサーの不具合、循環ポンプの故障などが挙げられます。
原因となりやすい部分が正常に機能しないと、最終的にはお湯を作れなくなったり、作ったお湯を各所に送れなくなったりします。エコキュートや給湯器のお湯に関する違和感は、放置したままだと突然使えなくなることもある問題です。夜間や冬場などには特に困る状況になりかねないため、点検や修理を検討しましょう。
お湯の温度が安定しない
シャワーを使っているときに突然お湯が熱くなったり冷たくなったりする、設定した温度とは異なる温度のお湯が出るといった症状も故障の前兆です。主に、エコキュートや給湯器に備えられた温度センサーの故障、混合弁の不具合、制御基板の故障などが考えられます。
なかでも、温度センサーは経年劣化によって精度が落ちる部品であり、正確な温度を検知できなくなると温度の安定性が損なわれます。温度が安定しない状態を放置すると「やけど」につながることもある問題であることから、特に小さなお子さんやお年寄りがいるご家庭では要注意です。
正常な稼働音ではない異音がする
給湯器やエコキュートが稼働中に、通常とは異なる音がする場合も注意したい故障の前兆です。正常な稼働音としては、ファンの回転音(ブーン)やモーターの運転音(ウーン)などがありますが、それ以外の異音は故障の前兆かもしれません。
なかでも警戒すべき異音は、「カンカン」という金属音、「ゴロゴロ」という振動音、「ピー」という高音などです。内部の部品が緩んでいる、摩耗している、または破損しているサインかもしれません。
配管内に空気が混入すると、「ゴボゴボ」という音が聞こえることもあります。こうした異音が続く場合は、内部の部品がさらに損傷する前に専門業者に点検を依頼しましょう。
黒い煙が出る
給湯器やエコキュートから黒い煙が出ている場合は、危険な状態です。通常、排気口から白い煙が出ている場合は水蒸気であり、特に寒い日には目立ちやすくなります。これは正常な現象ですので、心配する必要はありません。
一方で、黒煙は不完全燃焼を示しており、バーナーの目詰まり、給気・排気口の詰まり、燃焼制御部の故障などが考えられます。一酸化炭素中毒のリスクがあるため、すぐに使用を中止し、窓を開けて換気してください。その後、すぐに専門業者に連絡して点検を依頼しましょう。
酸っぱい匂いがする
給湯器やエコキュートから酸っぱい匂いがする場合は、ガス漏れや不完全燃焼の可能性があります。また、給湯器に近づくと目が「ちかちか」するといった経験がある方は、一酸化炭素の疑いも捨てきれません。
新しい給湯器を設置した直後であれば、一時的に似たような匂いが出ます。製造時に使用された機械油などが熱で揮発して発生する匂いで、通常は使用を続けるうちに消えていきます。
ただ、設置から時間が経っているのに酸っぱい匂いがする場合は、何らかの異常が発生しています。このような症状が見られたら、すぐに使用を中止し、窓を開けて換気をしてください。そして、専門業者に連絡して点検を依頼しましょう。
水漏れを起こしている
給湯器やエコキュートから水漏れが発生している場合は、内部の配管や接続部、バルブなどの問題が疑われます。主な原因は、配管の腐食や亀裂、接続部の緩み、パッキンの劣化などです。
冬場など気温の低い時期には、給湯器やエコキュートの表面に結露が発生し、それが水漏れのように見えることもあります。しかし、明らかに水が漏れている場合や、タンクに傷やヒビがある場合は要注意です。
なお、水漏れを引き起こすと水道代が通常より高くなります。急激な上昇があれば、水漏れを疑ってみるのも1つの方法です。

給湯器やエコキュートの調子が悪いときはどこに連絡すればいい?
給湯器やエコキュートの調子が悪いときの主な連絡先は、以下の3つです。
連絡先
- 給湯器やエコキュートの販売店
- メーカー
- 修理専門業者
給湯器やエコキュートの販売店
まず、給湯器やエコキュートを購入した販売店への連絡です。販売店であれば、あなたが使用している機器の情報を持っているため、スムーズに対応してもらえます。
保証期間内であれば、無料または低価格で修理してもらえることも多いです。独自の延長保証サービスに加入していれば、メーカー保証が切れたあとも安価で修理を受けられます。
ただし、販売店によっては修理の技術力にばらつきがあったり、対応可能な時間帯が限られていたりする場合もあります。購入から時間が経っている場合、販売店が閉店していたり、担当者が変わっていたりして、スムーズに対応してもらえないことにも注意が必要です。
メーカー
次に、給湯器やエコキュートのメーカーに直接連絡する方法です。メーカーのサポートセンターは、自社製品についてもっとも詳しい知識を持っているため、的確なアドバイスを受けられることが多いです。
販売店同様に、保証期間内であれば無料または低価格で修理してもらえることも少なくありません。メーカーの公式Webサイトには、よくある質問や故障時の対処法を掲載していることもあるので、連絡する前に確認してください。
ただし、メーカーに直接連絡しても、修理は提携している修理業者が行うといった仕組みで対応までに時間がかかることもあります。メーカー保証が切れている場合は、修理費用が高額になることもあるでしょう。
修理専門業者
最後に、給湯器やエコキュートの修理専門業者への連絡です。保証期間が切れている場合におすすめで、メーカーや機種に縛られず、迅速な対応も期待できます。
場合によっては修理だけでなく、買い替えが必要になった場合のアドバイスも受けられます。修理費用と買い替え費用を比較して、長期的に見てどちらがお得かを判断することも叶うでしょう。
ただし、修理専門業者を選ぶ際は、信頼性や実績の確認は必須です。悪徳な業者も少なくないことから、インターネットの口コミや評判を調べたり、複数の業者から見積もりを取ったりして厳選しましょう。
>>累計実績3,000件を突破!電話ですぐ依頼できるユニテックへ今すぐ相談する
給湯器やエコキュートの調子が悪い・実際に壊れたときの過ごし方は?

給湯器やエコキュートの調子が悪い・実際に壊れたときの過ごし方としては、主に以下の2つが考えられます。修理が完了するまでの間を乗り切る参考にしてください。
給湯器やエコキュートの調子が悪い・実際に壊れたときの過ごし方
- お風呂をどうするか考えておく
- ドライシャンプーや汗拭きシートを使う
お風呂をどうするか考えておく
お湯が使えないとなって一番困るのは、お風呂に入れないことではないでしょうか。冬場であればなおのこと、代替手段を考えておくことが重要です。
代替手段
- 近所の銭湯やスーパー銭湯、スポーツジムなどの公共施設を利用する
- 友人や親戚の家でお風呂を借りる
- ホテルや旅館に一泊する
いずれにしても、あらかじめ近隣の入浴施設の情報を把握しておくと、トラブルが起きたときに慌てなくて済みます。給湯器やエコキュートが故障した場合に備えて、周辺に何があるのかを調べておきましょう。
ドライシャンプーや汗拭きシートを使う
お湯が使えない状況であれば、ドライシャンプーや汗拭きシートを使ってやり過ごすことも可能です。脇の下や首筋、足の裏など汗をかきやすい部分を重点的に拭いておくと臭いが気にならなくなります。
お急ぎであれば、使い捨てのボディタオルや清拭シートなど、介護用品として販売している製品も役立ちます。少量の水で体を拭けて、水を沸かす手間もかかりません。
ただし、この方法はあくまでも一時的な対処法です。長期間お湯が使えない状況になっている場合は、前述のように銭湯などの施設を利用することをおすすめします。
まとめ
給湯器やエコキュートの調子が悪いと感じたとき、お湯が出ない、温度が安定しない、異音がする、煙や匂いがする、水漏れしているなどの症状が見られたら、故障の可能性があります。
ただし、すべての異常が故障を意味するわけではありません。ブーンという稼働音や白い煙(水蒸気)は正常な現象であり、断水や凍結によってもお湯や水が出なくなります。
「故障かな?」と思った時点から、給湯器やエコキュートの販売店、メーカー、または修理専門業者に連絡しましょう。異常の早期発見が、不要な出費を最小限に抑えることにつながります。

調子の悪いエコキュート・給湯器によくある質問(FAQ)
給湯器やエコキュートが故障した際の費用はいくら?
給湯器やエコキュートの修理費用は、部品交換だけで済む軽微な修理であれば数千円から数万円程度です。ヒートポンプユニットや貯湯タンクといった主要部分の故障の場合は、10万円以上かかることもあります。修理費用が高額になる場合は、修理と買い替えのどちらがお得かを比較検討することも大切です。
▶︎ エコキュートの修理が必要な故障の症状は?費用の目安や安くするコツを解説
給湯器やエコキュートの交換にかかる費用はいくら?
給湯器やエコキュートの交換費用は、一般的に本体の価格が30万円から50万円程度、工事費用が10万円から20万円程度で、合計40万円から70万円程度が相場です。給湯器ならもう少し安くなりますし、機種や容量、設置工事の複雑さによっても異なります。
▶︎ エコキュートの交換費用はどのくらい?相場やお得な交換方法を紹介
給湯器やエコキュートが故障する原因は?
給湯器やエコキュートが故障する主な原因としては、経年劣化、使用環境、メンテナンス不足などが挙げられます。設置から13年以上経過すると、内部の部品が劣化して故障のリスクは自然に高まります。寒冷地では凍結による配管の破損、海岸近くでは塩害による腐食、水質が悪い地域では水垢の蓄積なども故障の原因です。
給湯器やエコキュートのエラーコードは?
給湯器やエコキュートにはさまざまなエラーコードがあり、それぞれ異なる故障や異常を示しています。例えば、「E1」は水位センサーの異常、「F2」はヒートポンプの異常、「H3」は高圧異常などです。エラーコードはメーカーや機種によって異なるため、取扱説明書やメーカーのWebサイトで確認してください。